3月11日の東北地方太平洋沖地震で発生した大津波が、震源域から13600kmも離れた南極大陸のサルズバーガー氷棚に到達し、多数の氷山を誕生させていたことが明らかになりました:
上記記事の冒頭の写真は、中央部の白い縦線をマウスで左右にドラッグすることで、津波到達前と後の画像を比較することができます。
津波は18時間かかって13600km離れたサルズバーガー湾に到達。到達時の波高は約30cmと推定されています。氷山が多数浮遊している海域では津波が減衰しますが、同湾にはほとんど氷山がなかったため、津波の力が直接氷棚におよんだと考えられています。
2004年のスマトラ島沖大地震でも津波が南極大陸に達したのですが、そのときは多数の氷山が浮遊していて津波のエネルギーを吸収したため、今回のような氷棚の分離は起きなかったのだそうです。
記録によると、過去46年間、サルズバーガー氷棚はほとんど動いていなかったとのこと。
津波によって氷棚から分離した氷塊の総面積は、アメリカ・ニューヨークのマンハッタン島の2倍。その氷塊が分裂してできた氷山のうち、最大のものはマンハッタン島と同じ面積があるとのことです。
1868年9月、チリ海軍が太平洋南部で季節外れの大きな氷山が漂っているのを発見しました。この氷山は、発見の1ヵ月前に発生した大地震と津波によって南極大陸の氷棚から分離した可能性があると推測されていたのですが、今回の事例によって、その可能性が最も高いことが確認されました。
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