2010年1月21日木曜日

海底の光ケーブルで津波検知

国際電話やインターネットのために海底に敷設されている光ファイバー・ケーブルを使って、津波の襲来を検知することが可能だとの研究成果が、近々発行される『Earth, Planets and Space』誌に掲載されるとのことです:
原理は次のようなものです ―― 海水に含まれる塩分は、プラスに帯電したナトリウム・イオンと、マイナスに帯電した塩素イオンに分離している。津波による大規模な海水の動きによって、これらの荷電粒子は地球磁場の中で運動することになり、電場を発生させる(フレミングの法則)。この電場によって海底ケーブルに生じる電圧を測定すれば、津波の予知が可能になる。

計算上は、最大 500ミリボルトの電圧が生じ、十分に計測可能とのことです。

1992年に発生した M7.2 の Cape Mendocino(メンドシノ岬)地震では、海水の移動によって実際に大規模な電場が生じ、海底ケーブルで検出可能であったと報告されています。

現在の津波警報システムは、海上にブイを浮かべたり海底に圧力センサーを設置するなどの方法をとっており、莫大な設置費用と維持費がかかります。今回提案された方法では、すでに敷設されている海底ケーブルを使うので、経済的に豊かではない国々でも津波警報システムを導入することが可能になると見込まれています。