2013年8月7日水曜日

環天頂アーク出現 ― 北海道室蘭市


8月4日、北海道室蘭市(地図)の上空に環天頂アークが現れました。「虹と同じ原理で発生し、現象自体はそう珍しいものではない。しかし、上空すぎて気付きにくいので、発見例は少ない」(室蘭地方気象台):

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2013年8月6日火曜日

アイソン彗星の旅程表


「世紀の大彗星」になるかもしれないといわれているアイソン彗星(C/2012 S1(ISON))のタイムラインを2つのサイトが掲載しています:

両者の情報を合わせて表にしてみました。日付はアメリカ時間です。日本時間では翌日になる場合があります。たとえば、アイソン彗星の近日点通過は、表では11月28日ですが日本時間では11月29日になります:

年月日 事象
1万年前 太陽系外縁のオールトの雲を離脱、太陽への落下を開始。
12年9月24日 ロシアのアマチュア天文観測者2人が「かに座」の方向に新彗星(アイソン彗星)を発見。
13年1月17日~18日 NASAの彗星探査機ディープ・インパクトがアイソン彗星を撮影。一酸化炭素および二酸化炭素は検出されなかった。
13年1月~3月 NASAのガンマ線バースト探査機スイフトがアイソン彗星を観測。太陽からの距離 7億4000万km。毎分50トンの塵と60kgの水を放出していることが判明。水の放出が少ないのは、まだ太陽からの距離が遠く、水分の蒸発が少ないため。一酸化炭素や二酸化炭素の放出は活発。
13年4月10日 NASAのハッブル宇宙望遠鏡がアイソン彗星を観測。太陽からの距離 6億2100万km。木星軌道の内側。彗星の核が予想に反して小さく、直径4.8~6.5kmしかないことが判明。彗星の尾は、幅5000km、長さは9万2000km以上。5月2日と7日にもハッブル宇宙望遠鏡を使った観測がおこなわれ、アイソン彗星が一酸化炭素を放出する量の上限が求められた。
13年6月上旬~8月下旬 アイソン彗星が、地球から見て太陽の向こう側にあるため、地上からの観測不能。
13年6月13日 NASAのスピツァー宇宙望遠鏡がアイソン彗星を観測。太陽からの距離 4億9800万km。このときの観測データは未だ公表されず。
13年7月下旬~8月上旬 アイソン彗星が「フロスト・ライン」を通過。太陽からの距離 3億7000万~4億5000万km。太陽からの放射エネルギーが十分になり水分の蒸発が活発になる。明るさが増すことが期待される。彗星によってはこのラインで消滅。
13年9月 南半球で明け方の空にアイソン彗星が見えるようになる。双眼鏡が必要。
13年9月17日~10月15日 アイソン彗星観測のための気球 BRRISON(Balloon Rapid Response for ISON)がニューメキシコ州から打ち上げられる。
13年10月1日 アイソン彗星が火星に最接近。火星探査車キュリオシティとオポチュニティが同彗星を撮影予定。
13年10月10日 アイソン彗星が太陽観測機 STEREO-Aの視野に入る。太陽からの距離 1億5200万km。
13年11月 NASAのX線観測衛星チャンドラが、太陽風の粒子とアイソン彗星の相互作用によって発生するX線を観測。
13年11月18日~24日 NASAの観測ロケット FORTIS(Far-ultraviolet Off Rowland-Circle for Imaging and Spectroscopy)打ち上げ。アイソン彗星の化学成分を調べるために同彗星からの紫外線を観測。
13年11月19日 アイソン彗星が水星に最接近。水星を周回中のNASAの水星探査機メッセンジャーが撮影予定。
13年11月21日 宇宙空間や地上に配備された観測装置が総動員でアイソン彗星の観測を開始。
13年11月28日 アイソン彗星が近日点通過。太陽表面からの距離 120万km(地球から月までの距離の約3倍)。蒸発・消滅の危機
13年12月 数週間にわたって北半球の空にアイソン彗星が輝く。12月上旬には明け方、東南東の地平線近くに見える。12月下旬から1月上旬にかけては、一晩中見える。
13年12月26日 アイソン彗星(あるいはその残骸)が地球に最接近。地球からの距離 6420万km。


アイソン彗星を観測・観望するための手引きとしては、以下があります:

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増加する朝鮮半島の地震 (続報)


5月20日付「増加する朝鮮半島の地震」と7月5日付「韓国の地震が倍増」の続報です。

朝鮮半島およびその周辺でおきる地震の増加傾向が続いています。「年間の平均発生回数は1980年代に15.4回だったが、2000年代は44.9回と3倍近くに増えた」、「年初から8月4日までに朝鮮半島で観測された地震の回数は65回」、「今年の発生回数は昨年の2倍以上になる可能性もある」、「今年観測された65回の地震のうち、57回は海域で発生」:

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2013年8月4日日曜日

イルカの大群出現 ― 徳島県牟岐町


8月2日、徳島県牟岐町(地図)の沖に100頭以上からなるイルカの大群が現れました。体長3m前後で、頭部の形状や体の模様からマイルカとみられています。「通常は群れをつくって外洋で行動」、「町の沿岸にイルカがまとまって現れるのは珍し」いとのこと:

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2013年8月3日土曜日

遠州灘の地震


8月3日午前9時56分、遠州灘を震源とする地震があり、静岡県や愛知県で最大震度4の揺れがありました。東海地震との関連が懸念されますが、NHKの報道は次のように伝えています:
今回地震が起きた遠州灘は、想定される東海地震の震源域に含まれますが、震源は東海地震が想定されるプレートの境目よりも深く、地震の起こり方も東海地震とは異なるということです。

まとめると、(1)震源がプレートの境界よりも深い、(2)地震の起こり方(発震メカニズム)が異なる、という2つの理由で、今回の地震は東海地震とは無関係としているわけです。この2つの点について調べてみました。

以下は、各研究・調査機関の発表をまとめたものです:

震源 深さ(km) M
気象庁 遠州灘(震央地図 約40 5.1
防災科学技術研究所 遠州灘(震央地図 23 4.7
米国地質調査所(USGS) 豊田市の北東17km
震央地図
61.9 5.0


気象庁の発表では震源の深さ約40kmとなっており、NHKの報道にあったように「東海地震が想定されるプレートの境目よりも深」い場所です。

しかし、防災科学技術研究所の発表では深さ23kmとなっています。以下の図で今回の地震の震央である浜名湖沖の遠州灘付近を見ると、20kmの等深線が近くを通っています。深さ23kmという数字を信じるならば、今回の地震が発生したのはフィリピン海プレートの上面、まさにプレートの境目付近で発生したということになります:

気象庁が発表したのは「速報値」で、データの解析が進むにつれて、より精度の高い「暫定値」、さらに最終的な「確定値」が定められることになります。今後、深さの数字がどう変化するか気になるところです。

一方、下の図は防災科学技術研究所が発表しているメカニズム解です。この図によれば、今回の地震は正断層型で、想定される東海地震は逆断層型ですから、NHKの報道にあった「地震の起こり方も東海地震とは異なる」という点については間違いがないようです。

防災科学技術研究所 AQUAシステム メカニズム解カタログより引用

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2013年8月2日金曜日

蔵王山で火山性微動、火山性地震増加、傾斜計にも変化 ― 宮城県 (続報-5)


7月19日付「蔵王山で火山性微動、火山性地震増加、傾斜計にも変化 ― 宮城県 (続報-4)」の続報です。

気象庁が8月2日に発表した「週間火山概況(平成25年31号:平成25年7月26日~8月1日)」によると、蔵王山地図)で7月31日に火山性微動が発生しました:
蔵王山では、7月31日16時55分頃に火山性微動が発生しました。坊平観測点での継続時間は約5分40秒で、最大振幅(上下動)は2.2μm/sでした。蔵王山では、7月17日と18日にも火山性微動が発生しています。 
今期間、地震活動は低調に経過し、傾斜計やGPS連続観測にも特段の変化は認められません。

以下は、今年に入ってからの蔵王山の火山活動をまとめたものです:

月日 事象
1月22日 火山性微動、観測開始(2010年9月1日)以来はじめて
1月27日 火山性微動
4月5日 低周波地震が一時的に連続して発生
4月5日~11日の期間 東北大学・蔵王観測点の傾斜計に変化
4月7日 坊平観測点の傾斜計で南東方向(山頂の南側)が上がるような変化、火山性微動(継続時間 3分20秒)
4月9日 火山性微動(継続時間 4分20秒)
4月21日 坊平観測点の傾斜計で南東方向(山頂の南側)が上がるような変化、火山性微動(継続時間 5分40秒)、低周波地震が一時的に連続して発生
6月4日 火山性微動(継続時間 2分20秒)
7月17日 火山性微動(継続時間 3分10秒)
7月18日 坊平観測点と東北大学・蔵王観測点の傾斜計に変化、火山性微動(継続時間 3分10秒)
7月31日 火山性微動(継続時間 5分40秒)


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樽前山で地震増加 ― 北海道苫小牧市、千歳市 (続報)


7月26日付「樽前山で地震増加 ― 北海道苫小牧市、千歳市」の続報です。

樽前山地図)西側で7月8日に始まった地震活動は現在も継続中です。気象庁が8月2日に発表した「週間火山概況(平成25年31号:平成25年7月26日~8月1日)」から引用します:
7月8日からみられている樽前山の西側約3km付近を震源とする地震活動は、今期間も多い状態が継続しています。7月26日09時32分には、マグニチュード2.1の地震が発生しました。火山性微動は発生しておらず、噴気活動や地殻変動にも特段の変化はありません。

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イエローストーンの間欠泉が8年ぶりに噴出


7月31日(現地時間)、米国イエローストーン国立公園(地図)内にある「世界最大」の間欠泉〝Steamboat Geyser〟(Steamboat は蒸気船の意)が約8年ぶりに大噴出(major eruption)し、熱水を高さ約90mまで噴き上げました。同間欠泉は不定期に噴出する性質があり、長い時には50年間も沈黙を続ける一方、1964年には29回も噴出しました。同間欠泉が前回噴出したのは2005年5月でした:

以下の記事には2本の動画が掲載されています。1本目は今回の大噴出、2本目は2013年6月21日に撮影された、ふだんの〝Steamboat Geyser〟です:

小規模な噴出は比較的頻繁に見られるようです。以下の動画は4年前に撮影されたものです:

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2013年8月1日木曜日

巨大クジラの死骸漂着 ― 千葉県市原市 (続報)


7月28日付「巨大クジラの死骸漂着 ― 千葉県市原市」の続報です。

その後の報道によると、漂着したのはメスのナガスクジラで、体長約22m、体重約50トン。「これまで千葉県内で見つかったクジラのなかでは、最大級」、「東京湾でナガスクジラが見つかるのは珍しい」、「ナガスクジラは世界中の外洋に生息しているが、東京湾で死骸が漂着したのは1798年と2012年の2回しか記録にない」:

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ネス湖の怪獣と湖底の断層 (その3)


7月8日付「ネス湖の怪獣と湖底の断層 (その2)」からの続きです。

アメリカの科学誌『サイエンティフィック・アメリカン』にも  Luigi Piccardi 博士の説に対する論評が載っています:

以下は上記記事のテキトー訳です:
今週、イタリアの地質学者 Luigi Piccardi は「有名なネス湖の怪獣はこの湖の底を走っているグレート・グレン断層(GGF)によって説明できるかもしれない」と、アメリカ地質学会とロンドン地質学会が開いた多岐の専門分野にわたる会合で示唆した。 Piccardi がネス湖の怪獣とグレート・グレン断層を結びつけたのは、これが初めてではない。実は、彼は神話や歴史上のできごとに対して地質学的な説明を見つけ出すことを専門にしているのである。 
たとえば、(古代ギリシャの)デルフィの信託にともなって現れる不思議な幻について。Piccardi によれば、それは、炭化水素を含む地層から断層を伝って上昇してきた幻覚を誘発する蒸気によって引きおこされたものである。さらに彼は、神話に登場する地中に棲む竜の巣といわれるものは、すべて大規模な活断層の上にあるとも指摘している。「そのような場所を神聖視したのは、そこで不思議な自然現象が目撃された結果にほかならない」と Piccardi は述べている。「どのような現象かというと、ガスや炎の噴出、地下から聞こえる轟音、振動、地割れなどである。言うまでもなく(ギリシャ神話の舞台となった)エーゲ海地域は地震が非常に多いので、神話や歴史上のできごとと現象との間に関係があるように見えるのは偶然かも知れない。しかし、地震が少ない地域でもそのような関係が見いだせると私は考えている。」 
ネス湖はそのような伝説が形成される場所に位置している。スコットランド高地にある3つの細長い湖の一つであるネス湖は、幅1マイル(1.6km)に対して長さが24マイル(39km)もあり、深さは600フィート(183m)に達する。湖水中の視界は非常に悪く、怪獣やその他の生き物が隠れる深く暗い水域がたくさんある。そこにある断層線は、1901年にマグニチュード5の地震を起こしている。そのような揺れで、ネッシーの伝説が長い年月をかけて形作られてきたことを説明できるだろうか。ネス湖の怪獣についての歴史上最初の報告を考えてみてほしい。それは、7世紀にアドムナン(Adomnan)が記した『聖コルンバ伝』(“Life of St. Columba) という文書に記録されているのだが、その著者は「竜は巨大な轟音と強い揺れとともに現れた」と書いている。

(続く)


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