今世紀最大級の彗星になると予測されているアイソン彗星(Comet ISON、C/2012 S1)をハッブル宇宙望遠鏡が撮影し、4月23日に画像が公開されました。撮影がおこなわれたのは4月10日で、この時、アイソン彗星は木星の公転軌道の内側に入ってきており、地球から6億3400万km、太陽から6億2100万kmのところにありました:
画像は可視光線で撮影され、彗星の構造の細部を見やすくするために青色の疑似カラーが施されています。右側のコントラストを強調した画像を見ると、太陽に照らされた側の核の表面から、昇華した物質が激しく噴き出し、後方に回り込んでいる様子がわかります。
画像を分析した結果、アイソン彗星の核の直径は5~6kmより小さいことが判明。核の活動レベルが高い点を考慮すると、その直径が際だって小さいのだそうです。
彗星の頭部(コマ)の直径は5000km(オーストラリア大陸の幅の1.2倍)に広がり、塵の尾の長さはすでに9万kmを越えているとのこと。
アイソン彗星は今年11月28日に太陽の表面から110万kmのところを掠めるように通過し、年末にかけて壮大な姿を見せてくれると期待されていますが、その一方で、太陽接近時に分解・蒸発してしまうのでは、と考える人もいます。
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