2011年11月10日木曜日

星空を駆け抜ける小惑星 2005 YU55


米国東部にある Starhoo Observatory (個人所有? の天文台)が11月8日に撮影した小惑星 2005 YU55 の動画です:

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房総地域を M9 地震が襲う !?


以下は『OurAmazingPlanet』の11月8日付記事です。北海道大学・理学研究院附属・地震火山研究観測センター准教授の勝俣啓氏の研究を中心に、地震に先行して現れる地震活動の静穏期について解説しています:
記事の第2パラグラフには次のような記述があります:
He predicts that an area near Tokyo could soon be hit by a devastating magnitude 9 quake. 
彼は、もうすぐ東京に近い地域が壊滅的な被害をもたらすマグニチュード 9 の地震に襲われることもありうる、と予測している。
上記記事の一部を以下にテキトー訳します。まず静穏期についての概説です:
過去数十年にわたって、科学者たちは、中規模や大規模な地震の前には静穏期があると示唆してきた。静穏期には小規模な地震が通常よりも減少し、それが15ヵ月から75ヵ月間続く。これは、この期間に断層に歪みが蓄積するからだと考えられている。しかし、静穏期の存在がどの程度一般的なのか、どのような性質を持っているのか、どのように定量化すれば良いのかについては、未だによくわかっていない。
概説のあと、「静穏期を探す」という節で北海道大学の勝俣啓・准教授の研究内容を紹介しています。まとめると ――
  • 2003年十勝沖地震 M8.3(『理科年表』では M8.0)には、他のいくつかの地震で見られたような先行地震はなかった。
  • 十勝沖地震前の9年分の地震活動を分析。北海道地域で発生した M3.3以上の地震約2000件が対象。本震の4年から5年前に、本震の震源やそのそばの2つの領域で地震活動が42%から49%低下していたことを見いだした。
  • 見いだされた静穏期は、他の大地震の前に見つかっていた静穏期と同様の継続期間であった。1976年 ケルマディック地震 M7.9、1986年 アンドレアノフ島地震 M7.9(アリューシャン列島)、1994年 北海道東方沖地震 M8.3 (『理科年表』では M8.2)などに同じような長さの静穏期があった。
  • この研究の詳細は、10月15日付『Journal of Geophysical Research-Solid Earth』誌に掲載。将来は、科学者がM8級地震の5年前から始まる静穏期に目を光らせるようになるかも知れないと示唆。
  • 「地震の静穏期は、地震の中期的予知の分野で最も有望な手法だと考えている。中期的とは数年の期間を意味している」と勝俣氏は『OurAmazingPlanet』に語った。
以下は「将来の脅威」という節のテキトー訳です:
勝俣氏は3月に日本の東北地方沿岸部を襲った M9.0 の壊滅的な地震についても調査した。勝俣氏は、1965年から2010年の間に日本で発生した M4.5 以上の地震 5770件を分析し、東北地方で1987年から地震活動の静穏期が始まっていたらしいことを見いだした。この知見の詳細は、『Earth, Planets and Space』誌のオンライン版に9月27日付で掲載された。 
20年を超えて継続する地震の静穏期はマグニチュード9規模の地震の前兆であるという仮説を立てています」と勝俣氏は語っている。 
この研究は、日本の房総地域の静穏期も明らかにした。 
「私の仮説が正しければ、房総地域で次のM9地震が発生するでしょう。房総地域は東京に非常に近い」と勝俣氏は警告している。
以下も参照してください:
勝俣博士と同じ北海道大学の森谷武男博士は、VHF電磁波の地震エコー観測から、東北地方南部沖から関東地方沖の日本海溝南部付近で、2011年12月から2012年1月にかけて、再びM9クラスの地震が発生すると推定しています:

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2011年11月9日水曜日

フォボス探査機、失敗か


日本時間11月9日午前5時16分、ロシアのフォボス探査機〝Phobos-Grunt〟(Grunt はロシア語で「土」)と中国の火星周回衛星〝Yinghuo-1〟を搭載したロケットが、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられました。打ち上げそのものはうまくいったようですが、その後、深刻な問題が発生したと伝えられています:
ロケットの軌道を追跡していたアマチュア観測者(複数)によると、探査機を惑星間飛行の軌道に乗せるためのロケット噴射が予定されている時刻を過ぎても軌道に変化がない、また、本来一つであるはずなのに、軌道上に二つの物体がレーダーで観測されているとのこと。

〝Phobos-Grunt〟の公式ウェブ・サイトでは、探査機からのテレメトリー(遠隔計測)信号を受信できていないと、担当者が認めています。

〝Phobos-Grunt〟は、2013年2月に火星の衛星フォボスに着陸し表面の物質 200g を採取、同年3月にフォボスを離陸し、2014年に地球の大気圏に突入してフォボスの表面物質のサンプルを地球に持ち帰ることになっていました。

〝Phobos-Grunt〟には地球の生物が載せられています。極限環境に生息し強力な放射線にも耐えることができるバクテリア(Deinococcus radiodurans)、地球最強の生物といわれるクマムシ(緩歩動物写真)、そして植物の種です。打ち上げから地球帰還までの約3年間、これらの生物が宇宙空間の過酷な環境に耐えうることを示して、パンスペルミア仮説を実証しようという試みです。

フォボスの謎として私が第一にあげたいのは、表面に見られる無数の溝状の地形です(写真)。ほとんどが平行に走っており、何かが転がった跡のようにも見えます。他のいくつかの小天体でも類似の地形が見つかっているのですが、フォボスのものが最も顕著です。この地形の成因はよくわかっていません。火星表面に大きな隕石が落下した際に、飛散した破片がフォボスの表面を掠っていった痕だという説があるようです。〝Phobos-Grunt〟が接近・着陸すれば、この謎が解き明かされるかも知れないと期待していただけに、今回の「失敗」の報は非常に残念です。


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2011年11月8日火曜日

小惑星 2005 YU55 の姿


小惑星〝2005 YU55〟は、日本時間11月9日午前8時28分頃、地球に最接近しますが、そのレーダー画像を NASA が公開しています:
〝2005 YU55〟は、前回の地球接近時に得られたレーダー画像では球形をしているように見えましたが、今回のこれまでの画像では少しいびつな形をしているようです。明日にも公表される最接近時の画像は、もっと解像度が高くなると思われます。何か不都合なものが写っていたら公表されないかも知れませんが(笑)。


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天王星の軌道通過 ― 冥王星探査機


東日本大震災や私自身の入院のために書くことができないまま日数が経過していまいましたが、日本時間 3月19日午前7時ごろに NASA の冥王星探査機〝ニュー・ホライズンズ〟が天王星の軌道を横切りました:
ニュー・ホライズンズは 2006年1月に打ち上げられ、すでに5年10ヵ月近く経過していますが、順調に飛行を続けています。2014年8月25日には海王星の軌道を横切り、2015年7月に冥王星に接近することになっています。

ニュー・ホライズンズの現在位置は以下のページの図で確認できます:

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ニヤミュラジラ山が噴火 ― コンゴ民主共和国


11月6日、コンゴ民主共和国の東部、ウガンダやルワンダとの国境に近い所にあるニヤミュラジラ山(ニアムラギラ山、Nyamulagira volcano、Nyamuragira volcano、地図)が噴火を始めました。同火山のあるビルンガ国立公園(世界遺産)のパークレンジャーが報告しています:
ニヤミュラジラ山はアフリカ大陸で最も活発な火山です。アフリカ大陸東部を南北に貫く大地溝帯の中にあり、標高は 3058m。カリウム成分の多い玄武岩質の溶岩からなる盾状火山です。近隣にはニイラゴンゴ山があります。

ちなみに、コンゴ民主共和国とコンゴ共和国は別の国です。詳しくは、2009年10月2日付「同名異国」を参照してください。


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2011年11月7日月曜日

北の地震と南の噴火激化 ― カナリア諸島


先日の記事にも書きましたが、カナリア諸島のエル・イエロ島(地図)では、群発地震の中心が島の北側にもどっています。これまで少なかった M3 クラスの地震が増えていますが、震源の深さは 20km前後で、地表に近づく顕著な動きは見られません:
一方、同島の南沖で発生している海底噴火は沈静化する傾向を見せていたのですが、11月になって活動が激しくなっています。海面に複数の変色域が直線状にならんでおり、海底で亀裂噴火がおきているようです(写真動画)。まだ水柱が上がるところまでは至っていませんが、噴火にともなって海面が盛りあがる様子が撮影されています(写真写真)。その盛りあがった海面から噴出物が飛び出す様子が目撃され、軽石のようなものが水蒸気を放ちながら海面を漂っています(写真)。これらの現象は、噴火口が海面に近づいていることをうかがわせます:
噴火地点が島に近づく可能性があるため、島の南岸に面する集落の住民は再び避難しています:

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2011年11月2日水曜日

震源が北に移動 ― カナリア諸島


スペイン領カナリア諸島のエル・イエロ島で7月17日に始まった群発地震は、初めは島の北側を中心に発生していましたが、震源が徐々に南に移動し、島の南側での海底噴火につながりました。海底での溶岩の流出は今も続いているようですが、島の南側での地震活動は低調になっています。

一方、先月下旬ごろからは、再び島の北側での地震活動が活発になっています。11月1日にはこれまでで最大級の M3.9 が発生しています。まだ、震源の深さが 20km 前後と深く、すぐに噴火に結びつくことはないと思われますが、今後の推移が注目されます。このまま震源が浅くなって、島の北側での新たな噴火に至るのか、それとも7月以降と同様に震源が徐々に南に移動して、島の南側での火山活動が活発化するのでしょうか。

以下はスペインの IGN(Instituto Geográfico Nacional、国立地理学研究所)が発表している最新の震源マップです。7月19日以降に発生した地震がプロットされ、随時更新されています。赤い丸が現在~2日前、紺色の丸が3日~4日前、空色の丸がそれ以前の震源を表しています:

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2011年11月1日火曜日

九州の動物に異変


西日本新聞』がこの種の記事を掲載するのは珍しいのではないでしょうか:

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トルコ東部の地震とプレート・テクトニクス


10月23日にトルコ東部で M7.2 の地震(震源の深さ 16km、地図)が発生し、大きな被害がでました。この原稿を書いている時点で、死者数は 600 を超えています。

この地震の発震メカニズムやその背景にあるプレートの動きについては、すでに新聞などで解説されています。それらの解説をまとめると ――
  1. アラビア・プレートが北進してユーラシア・プレートと衝突している
  2. その衝突によってユーラシア・プレートが圧縮され内部に歪みがたまっている
  3. この歪みとして蓄えられたエネルギーの一部が逆断層の運動によって解放されたのが今回の地震である
―― ということです。詳しくは以下をご覧ください:
産経新聞の記事は、タイトルが「3つのプレートが衝突」となっていますが、本文には3つ目のプレートの名前や、どのように「衝突」しているのかについての記述が見当たりません。おそらく、アナトリア・プレートのことを指しているのでしょうが、このプレートは「衝突」しているというよりは、アラビア・プレートとユーラシア・プレートの衝突のとばっちりを受けて横方向にはじき出されている、と言った方が正確だと思います。

シカゴ大学の地質学者で、テクトニクス、大陸の変形、古地磁気学を専門とする Chris Rowan 氏が、『サイエンティフィック・アメリカン』誌や自身のブログに、もう少し広い範囲のテクトニクスを含めた解説記事を載せています。上に述べた第3のプレート、すなわちアナトリア・プレートの動きについても述べています:
  1. A Geologist’s-Eye-View of the Van Earthquake
  2. M 7.2 earthquake near Van, eastern Turkey
上掲(2)の記事の一部を以下にテキトー訳します。掲載されているを参照しながらお読みください:
トルコにおいて最もよく知られた地震発生源といえば、北アナトリア断層でしょう。この断層は長大な横ずれ断層で、黒海南岸沿いに伸び、イスタンブールの地下も通っています。非常に大きな被害をもたらした1999年の地震(イズミット地震)は、この断層で発生しました。今回の地震は、この北アナトリア断層よりもはるかに東で発生しました。その発震メカニズムは圧縮応力による衝上断層(逆断層)であり、北アナトリア断層のような横ずれ断層によるものではありません。 
今回の地震がおきたトルコ東部は、大陸どうしが衝突する地帯にあります。この衝突は、南にあるアラビア・プレートが、北にあるユーラシア・プレートに向かって北上することによっておきています。この地域はアルプス山脈からヒマラヤ山脈まで延々と続く造山帯の一部です。今回の地震は、ザグロス山脈とアルボルズ山脈という2つの山脈の接合点近くで発生しています。これら2つの山脈は大陸どうしが衝突した結果、形成されたものです。 
東部でアラビア・プレートとユーラシア・プレートが押しつぶされていることに起因する圧力は、両プレートの間に挟まれた地殻、すなわちアナトリア・プレート、を圧力の低い方向に向かって横向きに移動させます。これはちょうど、万力に挟まれたキャラメルが、万力の外にはみ出るようなものです。この西(*)に向かう横方向の運動に起因する地殻のひずみは、そのほとんどが北アナトリア断層と東アナトリア断層の横ずれ運動で解消され、最終的には地中海東部の沈み込みによって解消されます。 
したがって、大局的な地質構造の配置からみると、今回の地震は、その震源よりも西の方のもっとよく知られている地殻変動と関連づけることができます。東西両地域の地殻変動は同一の原動力に反応しておきているのです。トルコ東部でのプレートの収束は、アナトリア・プレートが西向きに動くことを助長します。この西向きの運動による地殻の歪みは、北アナトリア断層と東アナトリア断層で発生する地震によって解消されます。注意していただきたいのは、このような過程は百万年を超える時間スケールでおきるということです。短期的には、今回の震源よりも西にある断層の危険性(すでに高い)が今回の地震によって影響を受けることはないと考えられます。 
(*) 原文では〝eastward〟となっていますが、前後の文脈から〝westward〟として訳しました。執筆者の勘違いではないかと思います。
掲載されているで、北アナトリア断層(N ANATOLIAN FAULT)は右横ずれ、東アナトリア断層(E ANATOLIAN FAULT)は左横ずれであることに注目してください。この二つの断層の運動によって、大局的にはアナトリア・プレートが西の地中海の方に向かって押し出されていきます。そして、アナトリア・プレートの西にあるエーゲ海(Aegean Sea)では沈み込み(SUBDUCTION)が進行中で、沈降によって多島海が形成され、沿岸部にはリアス式海岸が発達しています。なお、「右横ずれ」は、断層の手前から見て向こう側が右にずれている場合、「左横ずれ」は向こう側が左にずれている場合を指します。


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