2025年9月1日月曜日

南極大陸になぞの物体? (続報)

 
 5年ほど前にこのブログでも取り上げた南極大陸の円盤状の物体(ブログ記事地図)が、再び話題になっています。それ以来、年月が経過していますが、現地調査は行われていないようです。
 
「岩盤盆地にある小さな湖」「これは雪が溶けて半円弧を形成しているもので、UFOではありません」(ニューカッスル大学の氷河学者)、「衛星画像では、この丸い地形は小さな湖のように見えます」(英国南極調査局の地図専門家):
 
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小惑星 2025 QK17 が月と地球に接近・通過

 
小惑星〝2025 QK17〟が 8月27日に月と地球の近くを通過していたことが、NASA/JPL による 8月31日付のデータベース更新で明らかになりました。
 
2025 QK17 (2025年8月31日付予報)
接近日時(日本時間)
(月)8月27日 16:42
 (地球)8月27日 23:40
接近日時 誤差
(月)± 2時間18分
(地球)± 2時間00分
接近距離 (月)0.55 LD
(地球)0.26 LD
推定直径
2 ~ 5 m
対地球相対速度
12.3 km/s ≅ 4万4000 km/h
初観測から地球接近まで−2 日
次の地球接近2031年9月3日ごろ
公転周期549 日 ≅ 1.50 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

2025年8月31日日曜日

セネカ・ドラムの謎

 
米国ニューヨーク州北部、五大湖の一つであるオンタリオ湖に近いところにあるセネカ湖(地図)は、「セネカ・ドラム」あるいは「セネカ・ガン」と呼ばれる原因不明の大きな爆発音が発生することで有名です。この現象の謎を解明しようとする研究者へのインタビュー記事です:
 
以下は記事からの抜粋です ——
 
コーネル大学生態学・進化生物学科のジェド・スパークス氏は、ニューヨーク州保全局やニューヨーク州立大学環境科学林業学部の専門家らと協力し、この謎の真相を解明しようとしている。ニューヨーク州は最近、調査のために約1万2000ドルを拠出し、9月下旬、水面が穏やかな時期に調査を実施する計画だ。
 
「現在では、湖底600フィート(約180m)の深さで天然ガスがかなり大きな泡を形成し、それが水面に達する頃には巨大な泡となって水面を破ると考えられています。しかし、それを実際に証明した人は誰もいません」とスパークス氏は述べた。
 
目撃者はWENYニュースに対し、「セネカ・ドラム」の音はほとんどの人が想像するよりもはるかに大きく、岸辺の家屋を揺らすほどだと語っている。先住民のセネカ族の中には、この轟音は祖先の霊が起こしているものだと信じる者もいれば、大精霊や雷神のものだと信じる者もいた。この音に関連する伝説の一つに、独立戦争後に、ある兵士が永遠に道に迷い、所属していた連隊を探しているという話がある。
 
「セネカ・ドラム」にまつわる謎は、音だけにとどまらない。例えば、湖底の一部は、一般的な湖底というより月面のように見える。

「昨年、本当に素晴らしい出来事がありました。環境保護庁の友人がセネカ湖全体の湖底を測量したのです。すると、この湖の南部全体に、壺状の穴がいくつも点在していることがわかったのです」とスパークスは語る。

スパークス氏は、穴の中には径が 30メートルにも及ぶものもあると付け加えた。もう一つの謎は、湖の塩化物濃度が高いことであり、一部の専門家はこれが全てに何らかの関連があるのではないかと疑っている。いずれにせよ、研究によって、なぜこのような現象がセネカ湖で発生し、世界の他の場所では発生しないのかという謎が解明されることが期待されている。 
 
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2025年8月30日土曜日

湧き水の水面が金色に染まる — 福島県本宮市

 
8月27日、福島県本宮市の岩角山岩角寺(地図)で、境内にある湧き水の水面が金色に染まっているのが見つかりました。「金花水」と呼ばれる現象で、湧き水や付近の岩の表面に不定期に発生しており、水面に出現したのは 2004年以来、21年ぶりとのことです。
 
「金粉をまいたように見えるが、原因はよく分かっていない」:
 
本宮市のウェブサイトには、2021年の日付で金花水に黄金の花が出現した、との情報が掲載されています。この時は水面ではなく、地面か岩肌のようなところが金色になっているようです:

 

3火山の噴火が相次いで止まる

 
鹿児島地方気象台や福岡管区気象台の発表によると、8月29日、九州南部の3つの火山の連続噴火が相次いて止まりました:
  • 桜島 04:30ごろ
  • トカラ列島・諏訪之瀬島 05:00ごろ
  • 霧島連山・新燃岳 08:30 
 

2025年8月29日金曜日

黒潮大蛇行が終息

 
5月9日付「黒潮大蛇行が終息する兆し」の続報です。
 
8月29日、気象庁と海上保安庁は「黒潮大蛇行」が 2025年4月に終息したと発表しました。気象庁は 4月中旬、大蛇行が解消していることを確認したが、その後、復活する可能性も考慮して観測を続けていた、とのことです。2017年8月から続いた大蛇行の継続期間は、1965年以降では過去最長で 7年9か月でした:
 

第3の恒星間飛翔体が太陽系に進入 (続報-4)

 
 
第3の恒星間飛翔体 3I/ATLAS は太陽系外から飛来した彗星であるというのがほとんどの専門家の見解となっていますが、宇宙望遠鏡やチリにある超大型望遠鏡(VLT)などによる観測では、通常の彗星とは異なる特徴も明らかになってきています:
 
以下は記事からの抜粋です ——
 
太陽系を高速で移動する恒星間天体が、通常の彗星では見られない金属を噴出しているのが検出された。

チリにある超大型望遠鏡(VLT)は、この 3I/ATLAS と呼ばれる天体から異常なニッケルが噴出しているのを検出した。鉄とともにニッケルを放出する通常の彗星とは異なり、3I/ATLAS では鉄が全く検出されず、ニッケルのみが噴出している。
 
チリの天体物理学者が発表した新たな研究によると、彗星 3I/ATLAS は毎秒約5グラムのニッケルと毎秒20グラムのシアン化物を放出しており、太陽に近づくにつれて両方の放出量が急激に増加していることが判明した。

研究者らは、これらの放出を駆動するメカニズムが通常の彗星のプロセスでは典型的ではないと指摘した。

研究者らは、ニッケルは、太陽光による穏やかなプロセス(蒸発や微小なニッケル含有化合物の分解など)を通じて塵から放出されている可能性があると仮説を立てている。
 
NASA は今週、SPHEREx とジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡による 3I/ATLAS の新たな観測結果を発表した。それによると、この彗星のガス噴出は二酸化炭素が主成分で、水はわずか 5% しか含まれていないことが明らかになった。

この特徴はこれまでに観測された大多数の彗星とは異なっている。その明るさの大部分は固体の核ではなく、周囲の塵の雲に由来している。 
 
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大形の小惑星 2025 QO7 が月と地球に接近

 
【8月31日追記: 最新の予報に基づいて、接近日時、誤差、推定直径を修正しました。】 
 
8月31日、推定直径 13〜28m の小惑星〝2025 QO7〟が月と地球の近くを通過します。
 
2025 QO7 (2025年8月30日付予報)
接近日時(日本時間)
(月)8月31日 16:06
 (地球)8月31日 22:51
接近日時 誤差
(月)± < 1 分
(地球)± < 1 分
接近距離 (月)1.52 LD
(地球)0.71 LD
推定直径
12 ~ 26 m
対地球相対速度
8.2 km/s ≅ 2万9000 km/h
初観測から地球接近まで5 日
次の地球接近2027年8月20日ごろ
公転周期756 日 ≅ 2.07 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

2025年8月28日木曜日

成長する原始惑星

 
チリにある欧州南天天文台(ESO)の超大型望遠鏡(VLT)で撮影された画像です。わし座にある若い恒星の周囲に広がるガスと塵でできた原始惑星円盤の中で、生まれたばかりの惑星がその公転軌道上のガスや塵を吸着して成長している様子を初めて明瞭に捉えたものです。 この惑星は木星の約5倍の質量があると推定されています。中心の恒星は太陽の若いバージョンです:

A very hungry planet! 🪐 What appears to be a ripple in space is actually a newborn planet, eating its way through its dusty cradle around a younger version of our Sun 🌞 Read more: https://www.eso.org/public/images/potw2534a/ 🔭 🧪 #exoplanets 📷 ESO/R. van Capelleveen et al.

[image or embed]

— ESO (@eso.org) 2025年8月26日 19:02


急速に衰える尾流雲

 
8月24日午前、沖永良部島(地図)東側海域を航行中の貨物船から撮影された尾流雲の変化です。2枚の写真(写真1写真2)の撮影間隔は 4分間とのことです:
 
 
 
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2025年8月27日水曜日

東京都多摩西部で稍深発地震、異常震域

 
【8月28日追記: 速報値より数多くの地震観測点のデータを使用して計算された暫定値では M3.8、震源の深さ 132km。震央位置はやや南東にずれて、震央地名が「東京都多摩部」とされています。(震央地図)】 
 
8月26日16時19分、東京都多摩西部で M3.9、震源の深さ 130km、最大震度 1 の稍深発地震が発生しました(震央地図)。
 
この地震で有感となったのは、神奈川県の一部と、震央から遠い栃木県宇都宮市だけで、東京都や埼玉県では無感でした(震度分布図)。震源付近に沈み込んでいる太平洋プレート内を震動が伝わった異常震域現象だと思われます:

右上図は防災科学技術研究所 AQUAシステム メカニズム解カタログより。
 
 
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富士山の大規模噴火と降灰の影響 (続報)

 
8月26日付「富士山の大規模噴火と降灰の影響」の続報です。
 
テレビ静岡』の報道です。内閣府が 22日に公開した富士山の噴火を想定した動画について、専門家は「(富士山の地元の)静岡県の人には不十分」と指摘しているとのことです。
 
「内閣府や東京都が言っている大規模というのは爆発的な噴火(中略)広域に火山灰を降らせる」「溶岩を流したり、火砕流を出したり、融雪型火災泥流を流す噴火は静岡県の山麓の市町に直接の影響があって避難しなければいけない。それは今回の首都圏・内閣府や東京都では強調されていない」(静岡大学火山学・小山真人 名誉教授):
 

空が黄色く染まる — 岩手県一関市

 
8月26日夕方、岩手県一関市(地図)で、降雨後の 18時ごろから日没まで、空が黄色く染まる現象が目撃・撮影されました。
 
「時期が異なることや直前に雨が降っていることから黄砂の影響は考えにくいが、原因は分からない」(盛岡地方気象台):
 

2025年8月26日火曜日

虹色の「頭巾雲」出現 — 岐阜県、大分県

 
8月25日、岐阜県の広い範囲で虹色の頭巾雲が目撃・撮影されました。
 
「『頭巾雲』とは『ベール雲』とも呼ばれ、入道雲の上部にかかるベールのような薄い雲を指します」:
 
同日、大分県津久見市でも入道雲の上部に虹色の雲が目撃・撮影されました。こちらも頭巾雲だと思われます:
 
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富士山の大規模噴火と降灰の影響

 
25年8月23日付「富士山が噴火したら、東京はどうなる?」の続報です。
 
内閣府も8月22日に動画を公開しています。冒頭でさまざまな火山災害の種類を示し、その後は降灰による影響にフォーカスしています:
 

近畿圏中心領域大型地震 (続報-356)

 
八ヶ岳南麓天文台地図)の 串田嘉男 氏が「No.1778 長期継続大型地震前兆」について 8月25日13時00分付けで「続報 No.424」(PDF形式)、同14時00分付で「続報 No.425」(PDF形式)を出しています。両者の差異は推定領域を示した図3だけです ——
 
PBF特異継続中 9/28以前発生の可能性否定
再再考 (10/19±4) or 12/15±4 発生の可能性有
変動静穏化で推定予定
 
現況
  • CH20 観測装置: PBF特異は認められなくなっていたが、8月24日夜から 25日昼前にかけて CH26 と同期したPBF特異変動が出現。
  • CH26 観測装置: 8月25日昼現在、PBF特異変動が継続出現 → 9月23日±3日に対応地震発生の可能性は完全に否定。
 [注]「特異変動」については『 FM(VHF帯域)電波電離層モニター観測による「地震・火山の予報」解説資料』(PDF形式)の 9ページを参照してください。 
 
 
「再再考」— 初現、極大の見直し 
  
Case-1 CH20 CH26
初現 3月26.5日 2月2日
極大 6月8.0日 5月18.2日
推定 静穏化 9月15日±3日 9月10日±3日
推定 地震発生(*) 10月22日±3日 10月16日±3日

Case-2 CH20 CH26
初現 3月26.5日 1月24日
極大 6月26.5日 5月18.2日
推定 静穏化 11月1日±3日 10月23日±3日
推定 地震発生(*) 12月14日±3日 12月16日±3日
 
 
推定日
 10月19日±4日 または 12月15日±4日に発生の可能性あり
12月15日±4日の可能性の方が考えやすい
CH26とCH20の今後の変動、静穏化を観測し推定予定
推定時間帯 09時 ±2時間 または 18時 ±3時間
(BT変動出現終息時間帯から推定、参照 23ページ)
推定震央領域

更新情報「 続報 No.425 」所載の図3参照
太線領域内=大枠推定領域
斜線領域=可能性が考えやすい推定領域
震央が火山近傍領域である可能性が高い 

直近で噴火の可能性が考えられる前兆変動はないので、現状では震央近傍火山の噴火の可能性は考えにくい。ただし、噴火前兆変動は数日~2週間程度前に出現するケースが多いので、今後出現する可能性も否定はできない。
推定規模 主震:M8.0 ± 0.3
複合の場合:M7.3±0.3 + M7.1±0.3 など
余震を含まない大型地震の断層長が合計で約110〜150km 程度となるような複合地震活動の可能性
推定地震種 震源が浅い日本列島陸域の地殻内地震
 
「30年の観測で初めて体験する長期継続変動のため推定が間違っている可能性も否定困難」
 
このブログ記事のタイトルが「近畿圏・・・」となっているのは、当初の推定震央領域が近畿圏とされていたためです。その後、推定領域は徐々に東にずれ、現在は長野県や群馬県を中心とした地域とされています。推定領域が変化するにしたがってタイトルを変えると、過去の記事の検索が不便になると考え、当初のタイトルのままとしています。
 
 
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2025年8月24日日曜日

衛星イオの奇妙な形の山

 
木星の衛星イオの奇妙な形をした山の画像です。明暗境界線が近くにあるので、凹凸がはっきりと現れています。イオには多くの活火山が見つかっています。
 
ハエムス山(Haemus Mons)はイオの南極近くにある山で、1979年3月7日にボイジャー1号が撮影したこの画像では、明暗境界線のすぐ近くに写っています。山麓は約 200km × 100km に広がっています: 
 

Haemus Mons is a mountain located near Io’s south pole and, in this image, lies near the terminator in this image from Voyager 1 on March 7, 1979. Its base spans about 200 by 100 kilometers.

[image or embed]

— Ted Stryk (@tedstryk.bsky.social) 2025年8月21日 9:35


地震の研究者が一番住みたくない場所

 
UMK テレビ宮崎』の記事です。京都大学防災研究所や宮崎公立大学の地震研究者が、一般から寄せられた「研究者から見て日本で一番住みたくない場所はどこ?」という質問に答えています。質問に正面から答えた研究者はおらず、「ずるい回答」に終始しています:

小惑星 2025 QM3 が月と地球に接近・通過

 
小惑星〝2025 QM3〟が 8月21日に月と地球の近くを通過していたことが、NASA/JPL による 8月23日付のデータベース更新で明らかになりました。
 
2025 QM3 (2025年8月23日付予報)
接近日時(日本時間)
(月)8月21日 13:12
 (地球)8月21日 21:00
接近日時 誤差
(月)± 1 分
(地球)± < 1 分
接近距離 (月)0.73 LD
(地球)0.53 LD
推定直径
5 ~ 10 m
対地球相対速度
9.3 km/s ≅ 3万3000 km/h
初観測から地球接近まで−1 日
次の地球接近2030年3月6日ごろ
公転周期466 日 ≅ 1.28 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

2025年8月23日土曜日

「富士山が噴火したら、東京はどうなる?」

 
東京都が制作した動画です。特に新しい情報は含まれていません:

ロシアの軍事衛星

 
知ってました?
 
「ロシアの軍事衛星には、秘密の内部名称と『コスモス』のカバー・ネーム(例えばコスモス 2590号)が付けられています。以前はタス通信社が打ち上げ時にこれらのカバー・ネームを付けていましたが、最近は付けなくなりました。今日打ち上げられた衛星の名称が確定するのは、ロシアが国連機関に報告書類を提出する数ヶ月先になる可能性があります」: 
 
 

2025年8月22日金曜日

愛知県西部? の地震 (続報)

 
24年3月6日付「愛知県西部? の地震」の続報です。震央地名「愛知県東部」と「愛知県西部」が話題になっています。
 
気象庁「地震情報」より
 
8月18日夜、「愛知県西部」を震源とする最大震度 2 の地震が 2回発生しました(暫定値 M3.7 と M3.8、深さは共に 38km、震央地図震央地図)。 速報値として発表された震央の位置が、愛知県の中央より東に位置する岡崎市(地図)の東端付近であるのに、震央地名が「愛知県西部」であったことから、違和感を覚えた愛知県民が多かったようです。
 
「岡崎市は気象庁の区分では『愛知県西部』なんです」、「愛知県西部と愛知県東部の境界は、天気予報や警報など『気象情報』を発表する場合は、微妙に変わります。豊田市が西部(平地)と東部(山地)に分かれるのです」: 
 
2回目の地震の震央地名は、速報値よりも多い観測値を用いて出される暫定値では「愛知県東部」とされています。
 
 
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ドレーク海峡で M7.5

 
日本時間 8月22日11時16分、南アメリカ大陸南端のホーン岬と、南極大陸から北に伸びる南極半島の間のドレーク海峡で M7.5、深さ 10.8km の地震がありました(震央地図)。震央はスコシア・プレートと南極プレートの境界付近で、横ずれ断層に起因する地震です(プレート地図)。

Credit: USGS
 

2025年8月20日水曜日

なぜオーストラリアで地震が起きるのか

 
8月16日、オーストラリア東部クイーンズランド州キルキバン(Kilkivan)付近を震源とする M5,6、深さ 10km(Geoscience Australia)の地震が発生しました(震央地図)。プレート境界からは距離があるオーストラリア大陸内部でなぜ地震が起きるのかを解説した記事があったので紹介します:
 
記事からの抜粋です —— 
 
世界の地震多発地帯のほとんどは、ニュージーランド、日本、インドネシアなどのように、プレート境界付近にあります。このような場所では、2つのプレートが衝突したり、すべり合ったりする際に生じる巨大な力のために、地震が頻繁に発生します。
 
しかし、オーストラリアはインド・オーストラリア・プレートの内部に位置し、プレートの境界からは遠く離れています。では、なぜここで地震が起き続けるのでしょうか?
 
オーストラリアは地殻変動的には「静か」で安定しているとよく言われます。しかし、この見方は部分的にしか当てはまりません。8月16日土曜日の地震が示すように、オーストラリアでは地震が発生しており、近年の断層や地震活動に関する豊富な記録があります。
 
オーストラリアでは、平均して、 M6.0 以上の地震が約7年に1回、M5.0 以上の地震が約1年に1回発生します。最近の断層に関する地質学的研究によると、オーストラリアでは M7.5 程度の地震が発生する可能性があるとされています。
 
オーストラリアはプレート境界から遠く離れているにもかかわらず、大陸は依然として遠く離れたプレート境界における大きな力によって圧縮され、応力を受けています(地図)。これらの応力はプレートの内部にまで伝わり、蓄積していきます。
 
応力が過度に大きくなると、地殻の弱い部分(断層帯)に沿って突然解放されます。この解放が、私たちが地震として感じるものです。

下の地図は、オーストラリア大陸全体における地震と活断層の広がりを示しています。
 
最大水平応力の方向がプレートの動きと一致する傾向がある他の大陸とは異なり、オーストラリアの応力はねじれ、国土全体でさまざまな方向を向いています。大規模なコンピュータモデリングは、これがインド・オーストラリア・プレートの縁における地殻変動の複合的な影響によって説明できることを示しました。

オーストラリア・プレートは、太平洋プレートによって北と東から圧縮されています。具体的には、ニューヘブリディーズ諸島、ソロモン諸島、そしてニュージーランドからトンガにかけて広がるトンガ・ケルマデック海溝付近のプレート境界からです。この圧縮はクイーンズランド州の奥深くにまで及んでいます。
 
キルキバン付近で最近発生したようなオーストラリアの地震の原因は、遠方のプレート境界からのこうした力なのです。 

——

人類は第6の大量絶滅に向かっているのか?

 
英紙 "The Guardian" の長文記事を紹介している Blue Sky のポストです:
 

「前例のない悪意の気候」:私たちは第6の大量絶滅に向かっているのか? 「地球の地質史全体を通して、地殻から数ギガトンの炭素を大気中に放出する方法は、わずかしか知られていない。5000万年に一度の頻度で起こる大規模な火成岩地域の火山活動と、我々の知る限り一度しか起こっていない産業資本主義だ。」 氷期や火山の大噴火など、地球では様々な自然現象が起こってきたが、生物多様性への影響はなかった。しかし5000万年から1億年に一度、真に恐るべき出来事が生じ、大規模な大量絶滅が起こる。現在の温暖化は"それ級"なのか…?と語る長文記事 www.theguardian.com/environment/...

[image or embed]

— ぬまがさワタリ@『いきものニュース図解』ほか3/19同時発売 (@numagasa.bsky.social) 2025年8月20日 10:48
 

天王星に新衛星を発見

 
天王星の 29個目の衛星がジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡によって発見された、と NASA が発表しました。推定直径 10kmで、天王星の中心から約 5万6000km のほぼ円形の軌道を回っています。非常に小さいため、ハッブル宇宙望遠鏡では発見できず、天王星の側を通過したボイジャー 2号でも検出は無理だったと考えられています:
 
新衛星は仮符号 "S/2025 U1" が付与されています。いずれ正式の名称が決まることになりますが、天王星の衛星は、シェークスピアかアレクサンダー・ポープの作品に登場する人物の名前がつけられる慣例になっています。 
 
以下の動画には、天王星を周回する既知の 28衛星のうちの 13 と新衛星(丸印)が映っています。天王星の地軸が横倒しになっていることにも注目してください:
 
 
 
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2025年8月18日月曜日

太陽活動が地震を引き起こす

 
筑波大学の研究を紹介している "The Daily Galaxy" の記事です:
 
以下は記事からの抜粋です —— 
 
太陽活動が地震に影響を与える可能性があるという考えは、筑波大学のマテウス・エンリケジュンケイラサルダニャ(Matheus Henrique Junqueira Saldanha)氏と平田祥人(Yoshito Hirata)氏による 2022年の研究で初めて提唱されました。彼らの研究では、地震の頻度と太陽黒点活動の間に相関関係があることが明らかになりましたが、根本的な原因は依然として不明でした。
 
この関連性をさらに探るため、研究者たちは過去の黒点データ、地表温度記録、地震統計を組み合わせた計算モデルを開発しました。

彼らの研究結果は、太陽放射によって引き起こされる地表温度の上昇が、上部地殻で発生する浅い地震の確率を高めることを明らかにしました(参考:The role of solar heat in earthquake activity)。
 
地球の地殻は温度と圧力の変化に非常に敏感です。太陽活動の活発化による熱は、岩石を膨張、収縮、そして時間の経過とともに弱体化させ、ひいては割れやすくします。

また、太陽周期の影響を受ける降雨量や雪解け水の変動は、断層線に沿って圧力を再分配し、地震リスクをわずかに高める可能性があります。

地殻変動は依然として地震の主な原因ですが、研究者たちはこれらの外的要因が引き金となり、既に応力がかかっている地域で地震発生の可能性を高めると示唆しています。
 
研究者たちは、太陽活動と気温変動を既存の地震予測モデルに組み込むことで、地震予測の精度を向上させることを期待しています。

これらの変化の影響を最も受けるのは浅発地震であるため、この手法は地表地震活動が頻発する地域で特に有効となる可能性があります。 
 
——
 

小惑星 2025 PY1 が地球と月に接近

 
8月19日、小惑星〝2025 PY1〟が地球と月の近くを通過します。
 
2025 PY1 (2025年8月17日付予報)
接近日時(日本時間)
(地球)8月19日 07:10
 (月)8月19日 20:17
接近日時 誤差
(地球)± < 1 分
(月)± 2 分
接近距離 (地球)0.77 LD
(月)1.50 LD
推定直径
8 ~ 17 m
対地球相対速度
6.8 km/s ≅ 2万4000 km/h
初観測から地球接近まで4 日
次の地球接近2032年8月16日ごろ
公転周期409 日 ≅ 1.12 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

2025年8月17日日曜日

そのとき何が起きる? 小惑星 2024 YR4 の月面衝突

 
小惑星 2024 YR4 が地球に衝突する可能性はほぼなくなりましたが、月に衝突する可能性は依然として残っており、その確率は現時点で 4.3% とされています。以下の CNN の記事は、この小惑星が月面に衝突したときにどのようなことが起きるのか、専門家の見解を紹介しています。
 
「地球に大きな物理的危険はないが、その時点で月面にいる宇宙飛行士やインフラは危険にさらされる」、「数秒間、肉眼で見えるほど明るい閃光が発生する」、「月に推定1キロの幅のクレーターを形成する」、「衝突から数日~数カ月で大きめの砂粒ほどのサイズ(0.1~10ミリ)の月物質が地球に到達し、目を引く激しい流星群を生み出す」、「人工衛星に衝突した場合、一定の損傷を引き起こす」:
 
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小惑星 2025 PU1 と 2025 PF2

 
8月14日に 2025 PU1 が、同15日に 2025 PF2 が相次いで静止衛星の軌道の内側にまで入り込んできましたが、その様子を描いたアニメーションです:
 
 
 
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アトサヌプリ近くで有感地震 — 北海道弟子屈町

 
8月16日10時47分ごろ、気象庁の常時観測火山・アトサヌプリ(地図)の近くで最大震度 2 の地震が発生しました。速報値では M2.1 で、震源の深さは「ごく浅い」(震央地図)。
 
アトサヌプリでは 16日、地震が 6回観測されています。 
 
気象庁「アトサヌプリの火山観測データ」より


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2025年8月16日土曜日

宇宙戦争

 
72年前の映画だとはとても思えない特撮技術です(「宇宙戦争」 1953年の映画)。エーリアンの戦闘機械(画像)のデザインもユニークです(YouTube ダイジェスト版)。 
 

Byron Haskin's The War of the Worlds, produced by George Pal, was released 72 years ago today. "A small town in California is attacked by Martians, beginning a worldwide invasion."

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— The Spaceshipper 🚀 (@thespaceshipper.com) 2025年8月13日 22:27
 

富士山で深部低周波地震

 
8月15日、富士山で深部低周波地震が 6回(速報値)観測されました: 
 
気象庁「富士山の火山観測データ」より
 
富士山の深部低周波地震は、気象庁は次のように説明しています —「相が不明瞭で、周期の長い地震波を伴う、深さ10km~20kmあたりで発生する地震。地下深部のマグマと関連していると考えられている。 」