『日本書紀』天武天皇11年(西暦682年)8月の記録から。地震の前兆だったのでしょうか:
- 3日 この(日の)夕暮れどきに、大星が東から西へ(天を)渡った。
- 5日 造法令殿の中に、大きな虹があらわれた。
- 11日 灌頂幡のような形をして、火の色をしたものが、あらわれた。空に浮かんで北へ流れた。どの国でもみな見えた。あるいは、「越の海(日本海)に入った」という。この日、白い気が東の山に生じた。その大きさは四囲(一囲は三尺)。
- 12日 大きな地震。
- 17日 また地震。この日、夜明けどきに、虹が、天の中央に、太陽に向かって、立った。
現代語訳は以下から引用しました:
教育社新書 <原本現代訳> 41 日本書紀(下) 訳者 山田宗睦 1992
原文は以下のとおりです(『六国史』から引用):
- 甲子。是夕昏時。大星自東度西。
- 丙寅。造法令殿内有大虹。
- 壬申。有物、形如灌頂幡、而火色。浮空流北。毎国皆見。或曰。入越海。是日。白気起於東山。其大四囲。
- 癸酉。大地動。
- 戊寅。亦地震。是日平旦。有虹当于天中央、以向日。
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