以下は、8月31日に開かれた東海地震の判定会のまとめです。8月1日の駿河湾 M6.2、同12日の遠州灘 M5.2のいずれも、東海地震の想定震源域もしくはその周辺で発生した地震だったが、その後、現在まで、東海地震に直ちに結びつくとみられる変化は観測されていないとのこと:
8月12日に遠州灘で発生したM5.2の地震について、気象庁は「(プレート境界型で)想定東海地震と同じメカニズムで発生した可能性が高い」、防災科学技術研究所は「プレート境界型地震ではない」、「懸念される東海地震と同じではない」との見解を発表していました。しかし、今回の判定会で気象庁は、「(プレート境界ではなく)プレート境界に近いフィリピン海プレート内部で起きた可能性が高い」に修正したとのことです (このブログの8月13日付「12日の遠州灘 M5.2 ― 東海地震と同じメカニズム」と8月23日付「12日の遠州灘 M5.2 ― 東海地震と同型ではない」を参照してください):
なお、上掲の判定会会長会見の文書には次のようなことも書かれています:
- 御前崎の長期的な沈降傾向は継続している。東海地 震の想定震源域及びその周辺におけるフィリピン海プレートと陸のプレートとの固着状況の特段の変化を示すようなデータは得られていない。
- 8月1日と12日の地震では、東海地域のひずみ計の一部で地震発生に伴うステップ状の変化が観測されたが、その後、特異な変化はみられない。
- 愛知県から長野県南部のプレート境界付近で、7月23日から8月1日にかけてと、8月21日から22日にかけて深部低周波地震が観測された。
- 深部低周波地震活動と同期して、愛知県のプレート境界付近に生じた「短期的ゆっくりすべり」に起因するとみられる地殻変動が、7月26日から8月1日にかけてと8月20日から22日にかけて観測された。
私は、12日の遠州灘 M5.2 について、「この地震の余震活動は低調で、8月17日以降は観測されていません」と書かれているのが気になっています。余震活動が低調であるということにはさまざまな理由が考えられると思いますが、そのような場所が将来の大地震の震源になる場合もあります。たとえば、2011年7月10日に三陸沖で発生したM7.3の地震は、3月11日の東北地方太平洋沖地震の余震域内の、余震活動が低調な場所を震源としていました:
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