2011年9月10日土曜日

深さ 10km ちょうどの地震 (その4)


事例1から事例4までは世界各地でおきた地震について述べており、米国地質調査所(USGS)の地震データを参照していると考えられます。USGSのウェブ・サイトには次のような Q&A が掲載されています:

以下は、上記の質問に対する回答をテキトー訳したものです:
10kmは〝固定深度〟(fixed depth)です。データが乏しく、信頼できる震源の深さを計算できないことがあります。そのような場合、震源の深さとして10kmという数値を使います。

世界中の多くの地域で、信頼できる震源の深さは平均して10kmかそれに近い値になる傾向があります。たとえば、そのような地域で得られた信頼できる震源の深さのヒストグラム(度数分布図)を作ると、10km前後にピークができると期待できます。ですから、震源の深度がわからない場合に10kmとするのは、妥当な推定ということになります。

かつては、33kmという値を使っていたこともあります。地震についての理解が進展したことによって、10kmのほうが適切であるということがわかりました。プレートの沈み込みがおきているような地域では、10kmよりも深いところで多くの地震が発生していることがわかっています。そのような地域では、10kmよりも大きい数値が適切であろうと考えられます。

〝固定深度〟を使わざるをえない理由でもっとも多いのは、最寄りの地震観測ステーションからあまりにも遠すぎる場所で地震がおきたから、というものです。信頼できる震源の深さを求めるためには、震央から最寄りの観測ステーションまでの距離が、震源の深さより小さくなければならない、というのが有用な経験則です。

現在では、最新の計算手法や理論の進歩によって、最寄りの観測ステーションから遠く離れた震央の場合でも信頼できる震源の深さを求めることができるようになっており、上に述べた経験則が常に有効であるというわけではありません。しかし、この経験則は次のような結論をはっきりと示しています ―― 〝固定深度〟の使用は浅い地震ほど多くなる。

続く


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