2010年3月21日日曜日

ジオ・ニュートリノの検出に成功

イタリア・ラクイラ近郊にあるグラン・サッソ山の地下 1.5km に埋設されたニュートリノ観測装置で、地球内部で発生したニュートリノ(ジオ・ニュートリノ)の検出に成功したとの発表がありました:
  1. Borexino experiment detects geo-neutrinos (写真、動画あり)
  2. Geo-neutrino anti-matter found by scientists at Borexino detector
ニュートリノはこの宇宙を構成する基本粒子の一つです。他の素粒子とほとんど反応しないため、どんな物質でもほとんど影響を受けることなく通り抜けていきます。太陽で発生したニュートリノは、1平方cm当り 1秒に 660億個が地球を通り抜けていきます。私たちの身体も 1秒に10兆個以上のニュートリノが通り抜けていますが、身体を構成する物質とほとんど反応しないため、私たちは痛みや痒みなどを全く感じません。このように他の物質とほとんど反応しない粒子を観測するには、ニュートリノがごくまれに他の素粒子と反応したときに発生する微弱な光などを捉えるために、膨大な量の物質と長い観測時間が必要です。

これまで観測されていたニュートリノは、太陽ニュートリノ、大気ニュートリノ(宇宙線が大気中の原子核と衝突してできるパイ中間子やミュー粒子の崩壊から生じるニュートリノ)、超新星爆発に伴うニュートリノなど、地球外に起因するか、粒子加速器で人工的に作り出したものだけでした。

ニュートリノは透過性がきわめて強いため、観測できさえすれば、地球という不透明な天体の内部で起きている現象について貴重な情報を提供してくれることになります。

地球内部から飛び出してくるジオ・ニュートリノについて、上記1の記事から引用・意訳します:
検出されたジオ・ニュートリノは反電子ニュートリノであって、地球内部でトリウムやウラニウムなどの原子核が崩壊するときに発生する。ジオ・ニュートリノの流量を測定することによって、地球内部で放射性物質の崩壊によってどのくらいの熱が発生しているのかがわかり、テクトニック・プレートの運動や火山活動に影響を与えるマントル対流に起因する過程をよりよく理解することが可能になる。

報道記事によっては今回の検出が世界初との記述も見られますが、上記1の記事には次のような記述があります:
ジオ・ニュートリノは、日本の研究者が 2005年に KamLAND 実験として知られるプロジェクトの中で始めて検出した。彼らが使った検出装置は地下 1km の採掘坑に設置されていたが、原子炉で発生する反ニュートリノを研究することが目的であったため、検出装置の周辺には複数の原子炉が存在していた。そのため、彼らは原子炉からの強い反ニュートリノ放射の中からジオ・ニュートリノの信号を分離しなければならなかった。

なお、ニュートリノ(中性微子)ニュートロン(中性子)は名前が似ているため、以下のように混同している向きもありますが、両者はまったく別物です:
1国の防衛網をこれ1つで壊滅させることが可能ですので、HAARPはこれらの研究の1つ・と思っておいて良いでしょう。電離層を持ち上げる事から気象に変化が出て、気象兵器と言われているだけで有り、元は米軍の実験兵器の1つなわけです。ストレートに言うと、電磁バリアとなりうる本土防衛兵器ですからね。ニュートロン=ニュートリノの事ですが、神岡の新カミオカンデが有る様に宇宙線の1つですから、これを軍事兵器にする・という考え方は米国の軍の物理学でもロシアでも同様でしょう。

「今日の報告です」(2010年2月22日(月)09時13分37秒)より引用]

今回のジオ・ニュートリノ検出がおこなわれた研究施設は、イタリアの都市・ラクイラの近郊にあります。昨年 4月に発生したラクイラ地震で大きな被害が出た街ですが、近郊に集中している研究施設には大きな被害はなかったようです。


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