協定世界時(UTC)3月25日02時49分ごろ(日本時間同日11時49分ごろ)に北西太平洋(千島列島東方、震央地図)で発生した M7.5(当初発表は M7.8)、震源の深さ 56.7km の地震は、日本列島の北から南まで広い範囲で揺れが観測されました。
以下は、防災科学技術研究所の 100トレース連続波形画像です。北(上)から南(下)へ揺れが伝わっている様子がわかります:
北アメリカ大陸のイエローストーン国立公園でも揺れが観測されています。右側の時間軸(UTC)で 3:00 の少し前から波長の長い震動が記録されています:
この地震はプレート境界型ではなく、千島海溝への沈み込みに向かって太平洋プレートが下向きに折れ曲がるアウターライズ部分のやや深いところで発生した逆断層型の地震でした(赤丸)。アウターライズでは、プレートの曲がりにともなって、浅いところでは正断層型、やや深いところでは逆断層型の地震が発生しやすいとされています:
Today's M7.5 Kuril Islands earthquake appears to be a (relatively) deep outer rise event due to bending of the subducting plate, similar to an event in 2009 a few 100 km to the South. (Cartoon modified from a paper by T. Lay, red circle indicates event location.) pic.twitter.com/e9daS26RFu— Jascha Polet (@CPPGeophysics) March 25, 2020
震源時間関数(source time function)を見ると、断層の破断が2回に分けて発生したようです: