富士山麓で製造されたミネラルウォーターから、発がん物質である臭素酸が検出されました。食品衛生法で定められた基準値の2倍に当たる量です。製造したのは山梨県西桂町(地図)にある工場:
「臭素酸は、ミネラルウォーターの消毒を行う際に、原料水に含まれる臭素が酸化してできる副産物」、「原料となる水に含まれる臭素が、オゾン殺菌等により酸化されて生成します」ということですから、地下から汲み上げた原料水がふだんより多い臭素を含んでいたということではないでしょうか。製造場所の西桂町は、富士山から北東に約20kmのところです。
臭素はハロゲン元素の1つです。臭素と火山活動の関連については、以下の様な報告があります。「1989-1992 年にかけての各元素濃度の急激な上昇は同時期に観測された草津白根山における活発な火山活動期と一致している」:
- 草津白根火口湖湯釜におけるハロゲン元素濃度の経年変化 (PDF形式)
関東地方で販売されているミネラルウォーターには富士山の周辺を採水地としているものが多いようです。例えばサントリーの『南アルプスの天然水』やコカコーラの『森の水だより』は山梨県北杜市白州町が採水地と表示されています。今後、富士山麓で採水されたミネラルウォーターの回収が増えたりしたときは、富士山は要注意かも知れません。
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