大地震によって、チリの海岸部は西に最大 4.7m 移動。一方、東隣のアルゼンチンとの国境をなすアンデス山脈も西に約 1m 移動。差し引き平均約 3m 幅の増加が南北 400km にわたって生じたため、 1.2km² (400km × 0.003km) の面積がチリの領土に付け加わった計算になるとのことです。
チリの国土は、太平洋側から南アメリカ・プレートの下に沈み込んでいるナスカ・プレートの運動によって東向きに押され、海岸線とアンデス山脈の間の国土が圧縮されます。両プレートの間で大地震が発生すると、それまで東向きに押され圧縮されていた南アメリカ・プレートが反発して元の状態にもどろうとします。これが今回の地震でチリの国土が拡大した理由です。
しかし、今回の地震でせっかく拡大した領土も、150年から 180年の周期で発生する次の大地震までの期間に徐々に減少してもとの状態にもどってしまいます。そして、次の大地震で再び拡大することになります。
チリは、このように痩(や)せる期間と大地震によって一気にリバウンドするというサイクルを繰り返しています。
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