日本の月周回衛星「かぐや」は予定どおり 6月 11日早朝、月面に衝突しました。以下は宇宙航空研究開発機構(JAXA)の発表文です:
この記事を書いている時点で JAXA は上記発表文の英語版を掲載していないため、欧米のブログなどでは機械翻訳した情報が出回っています。以下はその一例ですが、「かぐや」が “furniture store”(家具屋)になってしまっています(JAXA の情報公開については不満がいろいろありますが、それは別の機会に述べたいと思います):
「かぐや」の衝突閃光を観測したという情報は、今のところ一例しか見つかりません。4枚の連続写真で、左から 2枚目に一番強い閃光が記録されています:
月を周回していた 3ヵ国の衛星のうち、中国の「嫦娥 1号」は「かぐや」に先だって 今年 3月初めに落下、残るはインドの「チャンドラヤーン 1号」のみとなりました:
しかし、「チャンドラヤーン 1号」の孤独は間もなく解消されます。アメリカが 6月 17日に LRO(Lunar Reconnaissance Orbiter)と LCROSS(Lunar Crater Observation and Sensing Spacecraft)という 2つの探査機を打ち上げる予定になっているからです。LRO は「かぐや」と同じく月の周回軌道からさまざまな観測をおこない、将来の有人着陸の候補地を探します。LCROSS は、自分自身と、自分自身から切り離した物体を月面の永久に日光が当たらないクレーターに衝突させて、地下に水が存在するか否かを調べます。
それにしても、いまだに月に正体不明の人工物があるとか宇宙人の基地が見つかっているが NASA は隠蔽しているとか真顔で言う大人がいるのには正直あきれます。探査機による月の調査がアメリカとソ連(ロシア)に独占されていた時代ならいざ知らず、政治体制や価値観の異なるさまざまな国が探査機を送るようになり、観測の精度もアポロ計画やそれ以前に比べて格段に向上している現在、月面に関する「秘密情報」を隠蔽し続けることなど不可能です。それらの「秘密情報」に寸毫の信憑性もないことは明らかだと思います。
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