2009年6月25日木曜日

沖縄本島沖の熱水鉱床と新聞報道

以下は 6月 22日付で海上保安庁が発表した資料です。昨年度に実施した調査で、沖縄本島北西沖の海底熱水鉱床海域において、新たな海底熱水鉱床の可能性が高い地形を発見したことを伝えています:
上記資料では「海底熱水鉱床の可能性が高い地形を発見」という文言に下線を引いて注意喚起しているにもかかわらず、ほとんどの新聞は「海底熱水鉱床を発見」と書いています。以下はその例です:
これらの新聞記事は、本文冒頭で以下のように書いています:
海上保安庁は22日、沖縄本島の北西約100キロ沖の海底で、金属鉱物資源の発掘が期待される「海底熱水鉱床」を発見したと発表した。
おそらく、ほとんどの新聞社は同一の通信社の情報をよく確認せずに使っているので、このようなことになるのだと思います。私の見た範囲では、「可能性」であることを正確に伝えている記事は以下の時事通信社のものだけでした:
海上保安庁が調査した海域は沖縄トラフの一部です。中央海嶺ではありませんが、それと同じように地下からマントルが上昇して海底が拡大しつつある場所です。海上保安庁の発表資料には、3葉の海底地形図が添えられています。伊是名海穴と呼ばれる長径約 6km の海底カルデラや、その北東方向に今回新たに発見された 2つのカルデラ地形を見ることができます。