今夜、午前0時直前、月がおとめ座の1等星スピカに 0度00分まで接近します。南半球では、月がスピカを隠す掩蔽(星食)が見られます。
おとめ座は形がわかりにくく、またスピカは1等星とはいっても都会の明るい夜空では見つけにくいので、今夜は月を利用して、おとめ座やスピカを見極める良い機会だと思います。
関東地方では、午後7時過ぎに月とスピカが東の地平線から昇ってきますが、この時すでに両者はかなり接近しています。午前0時には南の空、地平線からの高度約40度に月とスピカが並んで輝いているはずです。
おとめ座とスピカについて『星の神話伝説集成』(野尻抱影、恒星社、1955)から引用します:
この星座を、おとめ或いは女神の姿と見たのは、一等星スピーカが、すみ切った美しい白光で輝いているためとする学者が多い。これは、東に約三十度をへだてた、うしかい座のアルクトゥールスの、はなやかな金じきと見くらべると、よくうなずける。まことに、胸のおくまでも清められるような色と瞬きで、日本の名「しんじゅ星」も、よくこれを生かしている。
すがすがしい美しさのスピカ(写真)と、全天最美の二重星といわれるアルビレオ(はくちょう座ベータ星、写真)は、ぜひ一度、天体望遠鏡を通してご覧になることをお勧めします。
なお、スピカのそばを掠めるように通り過ぎた月は、30日(土)には土星に3度21分まで近づきます。
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