日本時間8月6日(月)、アメリカの火星探査車〝キュリオシティ〟(好奇心)が8ヶ月半の飛行を終えて火星に無事着陸しました。パラシュートとスカイクレーンのロケット噴射で減速しながら降下し着陸したのですが、この時、キュリオシティの前端部左側の底面に真下に向けて取り付けられたMARDI(Mars Descent Imager: 火星降下撮像装置)が、徐々に迫ってくる火星の表面やロケット噴射で砂塵が巻き上げられる様子を撮影していました。このMARDIの撮影した画像をつないだ動画が公開されています。MARDIは 1600×1200 の解像度で、最大で毎秒5フレームの画像を撮影する機能があります。
▼MARDIは、大気圏突入時の高熱からキュリオシティを守るヒートシールド(熱遮蔽板)が分離された瞬間から撮影を始めています。25秒目付近で視野が大きく左上方に振れます。これは、パラシュートが切り離されたためではないかと思います。42秒目からは、分離されたヒートシールドが落下する様子です。最終的には火星表面に激突し、大きな砂埃が舞い上がります:
▼落下していくヒートシールドが常に画面の中央に来るように編集した動画です:
- Mars Heat Shield Drop (40秒)
▼MARDIは最大でも毎秒5フレームの画像しか撮影できません。それらのフレームをつないで動画にした場合、画面の動きが滑らかさに欠け、ぎくしゃくとしたものになってしまいます。それを避けるために、コンピューター処理によってフレームとフレームの間に補間する画像を挿入して、自然な動きにしたのが以下の動画です。全画面表示にして見ることをお勧めします。自分がキュリオシティに搭乗して火星表面に下りていくような感覚が味わえます。ヒートシールドが分離された後、パラシュートにつり下げられてゆらゆら揺れながら降下して行くのですが、1分18秒目でパラシュートが切り離され大きな揺れがあります。一瞬の自由落下の後、スカイクレーンの逆噴射ロケットによって揺れが収まり、安定した状態で降下が続きます。着地の後、画面右下に現れる黒いものは車輪と思われます:
キュリオシティが火星表面に降下するプロセスについては、このブログの8月4日付「〝恐怖の7分間〟迫る (その1)」と同5日付「〝恐怖の7分間〟迫る (その2)」を参照してください。また、以下は降下プロセスを一枚の絵にまとめたものです:
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