2011年12月12日月曜日

カシミール地方はM9大地震で水没する!?


12月5日から9日まで、サンフランシスコで AGU (American Geophysical Union、米国地球物理学連合) の秋季大会が開かれ、日本からのものを含むさまざまな研究成果が発表されました。その中で、コロラド大学の研究者がカシミール地方に設置された GPS のデータを8年間にわたって分析した研究がショッキングで注目を集めています:

上記記事から研究内容を手短にまとめると次のようになります:
カシミール地方では、インド・プレートがチベット高原の下に潜り込んでいる。チベット高原の相対的運動が遅い場所では歪みが蓄積していると考えられる。GPS のデータでそのような場所を探したところ、カシミール盆地(地図)の北側にある Zanskar 山脈(地図)の全長 200km の領域が該当。この領域で断層の破壊がおこれば、全長 300km にわたって断層が滑り、M9 クラスの大地震となる可能性がある。 
カシミール盆地には人口150万の都市スリナガルがある。この地域の建築規制のゆるさや人口を勘案すると、地震で 30万人が死亡する可能性がある。 
さらに悪いことに、このような大地震によって土砂崩れが発生し、インドが実効支配するカシミール盆地からパキスタンに流れているジェラム川(Jhelum River、地図)がせき止められると、カシミール盆地は3ヵ月以内に水没してしまう。このせき止め湖が決壊した場合には、下流のパキスタンが洪水によって甚大な被害を被る。
GPS のデータだけでは、この大地震がいつ発生するのかはわからないが、最悪のシナリオに備えて計画を立てておく必要がある。

地元の新聞も大きく取り上げており、住民の間には不安が広がっています:

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