10月23日付「蔵王山で火山性微動、火山性地震増加、傾斜計にも変化 ― 宮城県 (続報-6)」の続報です。
10月23日、蔵王山(地図)で火山性微動が発生し、その後、火山性地震がやや多い状況になりました。以下は、気象庁が10月25日に発表した「平成25年 No.43 週間火山概況(平成25年10月18日~10月24日)」からの引用です(19日の火山性微動については「続報-6」で既報):
19日の23時30分頃と23日03時11分頃に火山性微動が発生しました。坊平観測点での継続時間と最大振幅(上下動)は、19日が約17分、3.4μm/s、23日が約1分30秒、0.8μm/sでした。23日の微動終了直後には計測基準未満の火山性微動もみられました。火山性微動が観測されたのは2013年7月31日以来です。
19日の火山性微動に伴って微小な傾斜計データの変化がみられましたが、このような変化はこれまでもみられており、その他の観測データに特段の変化はみられませんでした。23日の火山性微動に伴い傾斜計データに特段の変化はみられませんでしたが、その後、火山性地震がやや多い状況となり、23日05時頃から24日08時頃にかけて、御釜直下の浅いところが震源と推測されるものが21回発生しました。
今期間に発生した火山性地震は30回(前期間:1回)で、その内の29回が低周波地震でした。
以下は、今年に入ってからの蔵王山の火山活動をまとめたものです:
月日 | 事象 |
---|---|
1月22日 | 火山性微動、観測開始(2010年9月1日)以来はじめて |
1月27日 | 火山性微動 |
4月5日 | 低周波地震が一時的に連続して発生 |
4月5日 ~11日 |
東北大学・蔵王観測点の傾斜計に変化 |
4月7日 | 坊平観測点の傾斜計で南東方向(山頂の南側)が上がるような変化、火山性微動(継続時間 3分20秒) |
4月9日 | 火山性微動(継続時間 4分20秒) |
4月21日 | 坊平観測点の傾斜計で南東方向(山頂の南側)が上がるような変化、火山性微動(継続時間 5分40秒)、低周波地震が一時的に連続して発生 |
6月4日 | 火山性微動(継続時間 2分20秒) |
7月17日 | 火山性微動(継続時間 3分10秒) |
7月18日 | 坊平観測点と東北大学・蔵王観測点の傾斜計に変化、火山性微動(継続時間 3分10秒) |
7月31日 | 火山性微動(継続時間 5分40秒) |
10月19日 | 坊平観測点の傾斜計に変化、火山性微動(継続時間 16分57秒) |
10月23日 | 火山性微動(継続時間 1分30秒)、直後に計測基準未満の火山性微動も。その後、23日05時ごろから24日08時ごろにかけて火山性地震がやや多い状況 |
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