2013年10月30日水曜日

衝突確率上昇 ― 小惑星〝2013 TV135〟


10月18日付「2032年8月26日 小惑星衝突 ?」の続報です。

小惑星〝2013 TV135〟が地球に衝突する確率が上昇しました。10月8日から27日までにおこなわれた425の観測データをもとに軌道を再計算した結果、この小惑星が地球に衝突する確率は 3.4×10-5(100万分の34)に上昇しました:

前の記事で紹介した NASA の発表では 1.6×10-5(6万3000分の1)でしたから、2倍以上に高まったわけです。NASAは「追加の観測データによって軌道計算の精度が上がれば、衝突の確率は劇的に低下するか、衝突の可能性を完全に排除できる可能性が高い」としていましたが、逆の結果になりました。私の知っている範囲でも、小惑星の衝突確率は、観測データが増えて軌道計算の精度が上がるにしたがって低下するのが常なのですが、今回は違いました。

上記の〝Earth Impact Risk Summary〟によれば、〝2013 TV135〟は 2032年8月26日午後5時38分(日本時間)に地球の中心から地球の半径の 0.78倍(最短の場合)のところを通過(つまり衝突する)。大気圏突入時の速度は秒速 14.93 km と計算されています。この小惑星の推定直径は 450m、推定質量は 1億2000万トンで、衝突時に放出されるエネルギーはTNT火薬換算で 3200メガトンと計算されています。

〝2013 TV135〟のリスクは、0から10までの11段階あるトリノスケールで〝1〟(地球近くを通過することが予想される天体が発見されたが、危険性は決して並外れたレベルにあるとはいえない)とされています。現在、もう一つトリノスケールで〝1〟とされている小惑星があります。〝2007 VK184〟という小惑星で、2048年6月3日午前11時09分(日本時間)に地球に衝突する確率が 5.5×10-4(10万分の55)と計算されています。

小惑星の衝突リスクの一覧表が以下にあります:

参考までに、ジャンボ宝くじの1等に当選する確率は 500万分の1 とか 1000万分の1、交通事故で死ぬ確率は 1万分の1 だそうです。小惑星〝2013 TV135〟が地球に衝突する確率はそれらの中間ということになります。


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