2011年1月31日月曜日

洪水と地震の関係 ― オーストラリア


新燃岳の噴火などに時間をとられて書きそびれていました。1月 24日早朝、オーストラリアのクイーンズランド州南部で有感地震がありました:

地震の規模はジオサイエンス・オーストラリアの発表では M3.3、震源の深さは 10km です (上記記事では報道の時点での速報値 M3.6 になっています)。震央(地図)に近いセント・ジョージ周辺では 4~5年に 1回程度の頻度で今回のような小規模地震が起きているそうで、1990年代には M4.3が発生、1954年には同地域として最大の M5.3が記録されています。

またクイーンズランド州全体では、今回のような小規模地震が年に数回発生しているとのことです。いずれにしろ、日本に比べれば、地震が無きに等しい地域です。

最近クイーンズランド州を襲った史上最大級の洪水については、日本の TV ニュースでもかなり取り上げられておりご存知の方も多いと思います。小麦など食料品の価格や、鉄鉱石や製鉄用石炭の供給にも影響が必至です。今回の地震の震央に近いセント・ジョージも洪水の被災地です。

オーストラリア各紙が言及しているのが、この大洪水と地震の関係です。クイーンズランド州で起きた過去最大の地震は、1918年 6月 6日にロックハンプトン(地図)で起きた M6 ですが、その時、同市は史上最大規模の洪水にみまわれていました。オーストラリア地震センターの責任者は 「洪水と地震の間に明白な関連性はないが、2種類の自然災害が同じ地域で同じ年に起こるのは珍しい」 と語っています。


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2011年1月29日土曜日

スナメリが川を遡上 ― 愛知県名古屋市


1月 29日午後、名古屋市内の堀川にイルカの一種、スナメリが迷い込んでいるのが見つかりました:

一方、昨年 2月に名古屋市内の川に迷い込み保護されていたスナメリが同じ 29日の未明に息を引き取りました:

こちらのスナメリについては、このブログの昨年 2月 19日付記事 「スナメリが川を遡上 ― 愛知県名古屋市」 も参照してください。


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霧島山の噴火と地震の関係


『理科年表』(丸善書店)所載の 「日本のおもな火山に関する噴火記録」 と 「日本付近のおもな被害地震年代表」を使って、霧島山の噴火と時間的・地理的に接近して発生した被害地震の対応表を作ってみました。

「日本のおもな火山に関する噴火記録」 には、霧島山の噴火が西暦 742年(天平 14年)以降 44回記載されています。各噴火記録は、噴火場所について「高千穂峡お鉢火口」、「新燃岳山頂火口」、「その他の地点、または噴火地点不明」が区別されているのですが、以下の表ではそれらを区別せずに扱っています。

霧島山の噴火は、フィリピン海プレートの移動方向から考えて日向灘で起きる地震と関連があるように思っていたのですが、実際に表を作ってみると、そのようなケースは予想外に少ないことがわかりました。多かったのは、大分県・熊本県・鹿児島県で、霧島山の噴火と相前後して発生するか、噴火から数年以内に発生する被害地震でした。


霧島山の噴火年 地震
1596 1596 豊後 M7.0 高崎山など崩れ、八幡村柞原八幡社拝殿など倒壊。海水が引いた後、大津波が襲来し、別府湾沿岸で被害。大分などで家屋ほとんど流失。「瓜生島」(大分の北にあった沖ノ浜とされる)の 80% 陥没し、死 708 という。

1598-1600 1605 『慶長地震』 M7.9+M7.9 東海・南海・西海諸道

1617-18 1619 肥後八代 M6.0 麦島城はじめ公私の家屋が破壊した。

1703 豊後 M6.5 府内(大分)山奥 22ヵ村で潰家 273、破損 369、死 1。湯布院筋・大分領で農家 580軒潰れる。豊後頭無村(現日出町豊岡)で人家崩れ、人馬の死があった。

1705 阿蘇付近 (M 不明) 阿蘇で坊の大破や崩れがあったという。岡城で被害があったという。

1706 1707 『宝永地震』 M8.6

1768 1768 琉球 (M 不明) 王城などの石垣が崩れた。津波が来て、慶良間島で田園と民家 9戸を損じた。

1769 日向・豊後・肥後 M7¾ 延岡城・大分城で被害多く、寺社・町屋の破損が多かった。熊本領内でも被害が多く、宇和島で強く感じた。津波があった。

1771-72 1771 八重山・宮古両群島 M7.4 『八重山地震津波』 津波による被害が大きく、石垣島が特にひどかった。全体で家屋流失 2千余、溺死約 1万2千。

1880 1882 高知市付近 (M 不明) 市中で壁が落ち、板塀が倒れ、石灯籠の頭が落ちるなどの被害があった。

1888-89 1889 熊本県西部 M6.3 熊本市を中心に半径約 20km の範囲に被害があり、県全体で全潰 239、死 20。橋の落下や破損が多かった。

1891 1893 鹿児島県南部 M5.3 知覧村付近で強く、家屋・土蔵・石垣・堤防など破損。近くの村々でも被害。倒家 2。

1896-97 1899 宮崎県沖 M7.1+M6.9

1903 1905 安芸灘 『芸予地震』 M7¼ 広島・呉・松山付近で被害が大きく (中略) 1903年以来、この近くで地震が多かった。

1913-14 1913 鹿児島県西部 M5.7+M5.9

1914 鹿児島県中部 『桜島地震』 M7.1 桜島の噴火で発生した地震。鹿児島市で住家全倒 39、死 13、鹿児島郡で死 22余。小津波があった。

1959 1961 日向灘 M7.0 宮崎・鹿児島両県で死 2、建物全壊 3。九州から中部の沿岸に津波。

1968 えびの地震 M6.1

『1968年 日向灘地震』 M7.5

1971 1975 熊本県阿蘇地方 M6.1 阿蘇外輪山内にある一の宮町三野地区に被害が集中した。

1975 大分県西部 M6.4



上の表について注意して頂きたいのは、記載した霧島山の噴火と被害地震の間に因果関係があるのかはわからない、という点です。偶然に、時間的・地理的に接近して発生しただけかも知れません。また、『理科年表』に記載されている 44回の噴火のうち、上の表に入っているのは 14回だけです。それ以外の噴火については、時間的・地理的に接近して発生した被害地震は見あたりませんでした。その点についても留意してください。


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ガレラス山の噴火切迫 ― コロンビア


南米・コロンビア南西部にあるガレラス山(地図)で地震が急増、山頂からのガス噴出も増えたため警戒レベルが 「オレンジ」 に引き上げられました:

当局の発表では、数日から数週間のうちに噴火が始まる可能性が高いとのことで、すでに周辺住民 8000人を収容する避難所の準備が始まっています。

ガレラス山はコロンビアでもっとも活動的な火山で、2010年は 1月と 8月に噴火、2009年には 5回噴火しています。

コロンビアでは 1月初旬に 4つの火山が活発化し、警戒レベルが 「イエロー」 に引き上げられました。ガレラス山はそのうちの 1つです:

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2011年1月28日金曜日

ブロモ山の噴煙で飛行ストップ ― インドネシア


インドネシア・ジャワ島東部にあるブロモ山(地図)は昨年 11月に噴火を始めましたが、1月 27日、同山の噴煙が著名な観光地・バリ島のデンパサール国際空港を覆ったため、飛行のキャンセル、迂回、出発地への引き返しなどが発生しました:

インドネシアでは、多数の死者を出したメラピ山の火山活動が沈静化していますが、ブロモ山や、スマトラ島とジャワ島の間のスンダ海峡にあるアナク・クラカタウ山の活動が活発になっています。


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2011年1月27日木曜日

九州北部で空振(くうしん)観測 ― 霧島山(新燃岳)の噴火で


1月 27日未明、佐賀県・福岡県・長崎県で、霧島山(新燃岳)の噴火の衝撃による空振(くうしん)が観測されたとのことです。爆発音も聞こえたようです:

佐賀地方気象台では 「午前2時ごろから同4時ごろにかけて断続的に南方向から爆発音と空気の振動を確認」。県北部を除く広い範囲の住民から 「障子がガタガタ揺れている」 などの問い合わせがあったとのこと。

新燃岳から、空振が観測された地域までのおおよその距離は、佐賀県が 160km、福岡県(太宰府市)が 180km、長崎市内が 130km です。

私も空振を経験したことがあります。神奈川県藤沢市で湘南海岸から歩いて 5~6 分のところに住んでいたのですが、1986年、伊豆大島三原山が大噴火し全島民島外避難がおこなわれたとき、2階の勉強部屋の南に面した窓のガラスがミシッときしむような音を立てたり、ビリビリと震えたりしました。特に夜、強い風が吹いているわけでもないのに窓ガラスが音を出すので気味が悪かったことを憶えています。それが空振という現象であることは、後になってテレビのニュースで知りました。


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2011年1月26日水曜日

霧島山(新燃岳)の噴火規模拡大


午前 7時 31分に始まった新燃岳(地図)の噴火の規模が拡大し、噴煙が火口から 2000m の高さまで上がっています。気象庁は噴火の警戒レベルを 2(火口周辺規制)から 3(入山規制)に引き上げました:

またいつものように短期間の小噴火で終わるのだろうと思っていたのですが、その一方で、気象庁が発表した今朝の小噴火についての情報に、これまでとは違って 「振幅のやや大きな火山性微動は 07時 17分から発生し 14時現在も続いています」 とあり少し不穏なものを感じていました。

上記 『毎日放送』 の記事によれば、「火口からおよそ5キロに位置する都城市御池では、最大で直径2センチから3センチの噴石が確認され、車の窓ガラスが割れる被害もあった」、「火山灰の影響で宮崎県内ではJRが3つの区間で運転を見合わせているほか、宮崎空港を発着する便も6便が欠航するなど、交通機関に乱れが出ています」等々、被害や交通機関への影響が出ています。

また 『南日本新聞』 の記事には、専門家の話として 「新燃岳で噴煙が数時間連続して上がるのは、1959年以来とみられる」 との記載があります。

上記気象庁の解説資料には、「19 日に新燃岳で発生した噴火に伴う火山灰を解析した結果、新しいマグマに由来する粒子が検出されました。これはマグマが火口直下の浅いところまで上昇していることを示唆していると考えられます」 とあり、今後噴火の規模がさらに大きくなったり、長期化したりする懸念があります。


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霧島山(新燃岳)が小規模噴火


1月 26日午前 7時 31分、宮崎・鹿児島県境にある霧島連山・新燃岳(地図)が小規模な噴火をおこしました:

新燃岳はちょうど 1週間前の 1月 19日午前 1時 27分にも小噴火を起こしています。

前回の小噴火と同じく、宮崎県都城市付近など新燃岳の南東方向で降灰が確認されています。

前回とはちがう場所から噴火したようです。前回の小噴火については、「昨年(平成 22年) 5月 27日の噴火により形成された S19 噴気孔が拡大し、周辺には火山灰等が厚く堆積している状況から S19 噴気孔で噴火したと推定されます」 と発表されましたが、今回は 「上空からの調査では、火口内は、噴煙におおわれて不明瞭でしたが、火口内の S15 噴気孔から噴煙が噴出している」 らしいとのことです。


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2011年1月20日木曜日

イエローストーンで地面が急激に隆起?


日本語版 『ナショナルジオグラフィック』 の記事です:

この日本語版の記事は、英語版とはニュアンスがまったく違っています。タイトルも英語版が “Yellowstone Has Bulged as Magma Pocket Swells” であるのに対して、かなりセンセーショナルで、トンデモ屋さんやフィア・モンガーの人たちが喜びそうなものに変えられています。

今夜は時間がない (馬車がカボチャにもどってしまう) ので、詳しいことは後日追記します。


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霧島山(新燃岳)が小規模噴火


1月 19日午前 1時 27分、宮崎・鹿児島県境にある霧島連山・新燃岳(地図)が小規模な噴火をおこしました:

曽於市・都城市・日南市など、新燃岳の南東方向で降灰が確認されています。火山性微動や空振の観測データからすると、噴火の規模は昨年 7月 10日のものより小さいとのことです。


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