『Nature Communications』に 11月13日付で掲載された「余震は流体に駆動され、(発生頻度の)減衰速度は透水性に支配される」と題する論文です:
以下は Abstract のテキトー訳です:
一部の地震では数千の余震が発生するのに対して、他の地震では余震がほとんど発生しないのはなぜなのか。これは、地震物理学で未だに適切に説明されていない側面の1つである。また、余震の発生頻度が時間におおよそ逆比例して減衰する理由も解明されていない。本論文では、これら2つ(余震の多寡と減衰)が関連しており、余震が少ないのは深部に高圧流体源がないことを反映しているのに対し、余震が多く長期間続くのは、連続する余震を駆動する高圧流体の貯留層があることを反映していることを示す。本研究では、地殻内の透水係数の支配的な側面を捉えた物理モデルを用いて、大森・宇津の法則のような広く用いられている経験則よりも優れた観測値への適合性を示すとともに、余震の減衰速度と、地震と同時あるいは地震後に生成された亀裂ネットワークを修復するための地質構造的な能力との間に機能的な関係を見いだした。これらの結果は、広範囲に影響があり、地震速度の回復、減衰、移動などの他の観測結果を解釈するのに役立つ可能性がある。
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