20年11月15日付「橋がずれる — 山口県上関町」の続報です。
まだ原因はわかっていませんが、現地で調査をした山口大大学院の麻生稔彦教授(橋梁工学)は「本土の室津半島側の桁が約 20センチせり上がり、逆に橋中央部がシーソーのように約 1センチ沈んでいた」「橋本体にひび割れなどの重篤な損傷は見られない。初めて見るケース」と話しています:
- 山口の上関大橋 20センチ段差 専門家「初めて見るケース」「重篤な損傷見られず」 (写真、動画あり)
以下の2本の記事には、橋の構造の概略とどのようにずれたのかを示す図が掲載されています。
「上関大橋では、室津側(本州側)から長島側に渡るさいの橋の入り口付近で、手前の道路に対して橋が浮き上がるようにして約 20㌢(幅 8・8㍍)の段差ができた」「桁中央のヒンジ部分に 1cm ほどの沈下が見つかった。北側(本州側)の橋脚を中心に、桁が回転するように動いたとみられる」「(地震被害などを除けば)桁がこれほど動くのは見たことがない」:
- 突然 20㎝ ずれた上関大橋 通行止めで島民の暮らし一変 原発できれば逃げ場ない現実 (写真、地図、説明図あり)
- PC橋の桁が 20cm 跳ね上がる、浮き上がり防止アンカーに損傷か (写真、説明図あり)
図を見ると、橋の中央部に想定外の荷重がかかったように見えます。重量制限を大幅に超えた車両が通過したのでしょうか。
なお、長島の南端部には原子力発電所の建設が予定されていますが、活断層の有無を調査するためのボーリングは滞っています:
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- 橋がずれる — 山口県上関町 (20年11月15日)