昨年の春、NASAの小惑星探査機 OSIRIS-REx が訪れている小惑星 ベヌウ(ベンヌ)で、岩石が宇宙空間に吹き出しているのが見つかったと伝えられたときにはたいへん驚きました。原因をいろいろ考えて、トーマス・ゴールドの地球深層ガス説(星間物質には炭化水素が大量に含まれており、地球の石油や天然ガスの起源となったと言う説)なども頭をよぎったのですが、NASAの科学者は3つの可能性に絞り込んでいるようです:
- NASA Mission Reveals Asteroid Has Big Surprises (写真あり)
- 小惑星から岩石?噴き飛ぶ NASA探査のベンヌ (写真あり)
- NASA's OSIRIS-REx Explains Bennu Mystery Particles (写真、動画あり)
- 小惑星「ベンヌ」は、“くしゃみ”をするように岩石を宇宙空間に放出している (写真あり)
3つの可能性とは、(1)隕石の衝突による衝撃、(2)4.3時間の自転周期で激しく上下する温度変化によって岩石が破砕(thermal stress fracturing)、(3)岩石の割れ目や多孔質の岩石に含まれる水分が加熱によって圧力を生じ飛散、です。これらの説明は、これまで複数回観測された噴出現象のうち、最大規模の3回がいずれもベヌウの午後遅くにあたる地域で発生していることに基づいています(上記記事の動画参照)。
(1)や(2)の場合、他の小惑星でももっと噴出が観測されても良さそうですが、日本の「はやぶさ」や「はやぶさ2」が調べた小惑星では同様の現象が見つかっていません。(3)の場合は、水分がある小惑星に特有の現象ということで説明がつきそうです。
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