2020年6月8日月曜日

三浦半島に異臭広がる


6月4日夜に起きた三浦半島(地図)の異臭騒ぎは、結局、原因がわからないままになりそうです。「横須賀海上保安部にも海上で異臭を感じた船舶からの情報はなく、(原油タンカーなどの)ガス抜きではないと考えられる」とのことで、海上からではないとすると、陸上の工場などから何らかの気体が漏れたということでしょうか:

ネット上では地震の前兆ではないかという話も流れていますが、どうでしょうか。手元にある宏観異常関連の書物から過去の事例をいくつか拾い出してみました:

▼ 通海地震(中国雲南省、1970年1月5日、M7.5、深さ13km)
一九七〇年一月五日の雲南省通海地震の前の一月二日、四日に、蛾山などの地方で突然に形容しにくい特殊な臭いが立ち、正午に一層強く臭った。解放軍兵士の話では小銃をうった後の硝煙のような臭いがしたという。地震のあとにこの臭いはなくなった。
『宏観異常と地震 中国の予知成功例にみる』
(安徽省地震局編、力武常次監修、共立出版、1979)

▼ 海城地震(中国遼寧省海城県、1975年2月4日、M7.0、深さ16〜21km)
また海城地震の前には一種の「地味」(地震に伴って地面に立ち込める臭い)の異常現象も現れた。早い所では一月に発見され、丹東、盤錦、遼陽などの地区の大衆はD・D・T粉末、硫化水素、どろどろに熱くなっているアスファルト、マッチ、パルプかすなどのような臭いを帯びた気体をたえずかぎ、気管に入ってむせ、みながムカムカして不快であった。(以下略)
 『海城地震 予知成功のレポート』
(蔣凡著、力武常次監修、共立出版、1979)

▼ 兵庫県南部地震(1995年1月17日、M7.3、深さ16km、最大震度7)
1月16日夕食後、(中略)ちょうど8時に食堂からドアを開けて隣の居間に入ったところ、非常に臭いガスの臭いを感じました。(中略)臭いの発生源を捜している間(約数分間)にいつの間にか臭いは消えていました。(中略)臭いが発生したのは7時10分過ぎから8時の間と思われます。ガスの臭いは汲取り式便所から臭ってくるような臭いと漬物の臭いが混ぜ合わされたような(硫化水素?)臭いでした。(阪急宝塚線中山駅から北に直線距離で約1.0km)
『阪神淡路大震災 前兆証言1519!』
(弘原海清、東京出版、1995)


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