7月6日付「ネス湖の怪獣と湖底の断層 (その1)」からの続きです。
以下は、「その1」で紹介した Fox News の “Loch Ness monster mystery explained”(ネス湖の怪獣の謎が解き明かされた)を抜粋・テキトー訳したものです:
伝説によれば、多くの場合、ネス湖の怪獣は地面の揺れと渦巻く泡とともに湖から姿を表すという。
しかしながら、少なくとも一人の研究者は、地面の揺れと泡は怪獣の現れる兆しではなく、ネス湖や近隣の湖の底を横切る活断層の活動を示すものだと考えている。
イタリアの地質学者 Luigi Piccardi 博士は、伝説の怪獣の目撃談はグレート・グレン断層系によって説明できると考えている、と科学誌『Scientific American』は伝えている。
「湖水の表面で起きるいろいろな現象が活断層の活動で説明できます」と Piccardi 博士はイタリアの新聞『La Repubblica』に掲載されたインタビューで語っている。
Piccardi 博士はさらに、ネス湖の怪獣とされるものの目撃は地震活動の時期と一致しているおきていると主張する。「この時期とは1920年から1930年にかけてのことで、このときグレート・グレン断層系の活動が増加していたことがわかっています。人々が目撃したのは怪獣ではなく、実際は、地震の効果が湖水の表面におよんだものだったのです。」
グレート・グレン断層は100km以上にわたって伸びており、スコットランド高地を南北に分断している。この横ずれ断層は、大地が垂直方向の動きを伴わずに水平にずれており、ブリテン島でもっとも深い淡水湖であるネス湖を形作った主役である。(サン・アンドレアス断層やアナトリア断層も横ずれ断層と考えられている。)
この断層では、過去数世紀のあいだに数回の小地震が発生している。そのほとんどはマグニチュード3から4である。『Daily Mail』紙によれば、1816年、1888年、1890年、1901年に地震が記録されているとのことである。
ネス湖の怪獣が世界的に有名になったのは1930年代のことである。ロンドンの Kenneth Wilson という外科医によって撮影された蛇のような頭と首が写っている写真が世界中に広まったのがきっかけだ。しかし、数十年後、この写真がでっち上げであることが明らかになった。
イルカに装着したカメラから潜水艦まで、ありとあらゆる手段を駆使した怪獣捜索が長年にわたって試みられたが、“ネッシー”の紛れもない証拠は見つかっていない。たとえば、研究者とイギリス放送協会(BBC)がソナー(音波探知機)と衛星写真を使っておこなった徹底的な捜索でも、ネッシーのような大きな生き物の証拠は見つからなかった。
ネス湖の怪獣が存在しているという科学的な証拠は見つかっていないが、そのことによって怪獣に対する関心が減少しているわけではない(スコットランド最大級の観光名所になっている)。2012年には、船頭の George Edwards 氏が怪獣を目撃し写真に撮ったと主張した。しかし、懐疑論者たちは、写っているのは漂流している丸太か大きな魚だとして、彼の写真を否定している。
(続く)
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