2013年7月2日火曜日

大地震の危機迫るイスタンブール


トルコ最大の都市イスタンブール地図)に大地震の危機が迫っていることをうかがわせる観測結果が発表されました。ドイツとトルコの科学者が発表したもので、北アナトリア断層の一部で、過去4年間、まったく地震が発生していない部分があり、そこはイスタンブールの中心部から20km弱しか離れていないとのこと:

以下は、上記記事の抜粋・テキトー訳です:
ドイツとトルコの科学者が、極めて危険度の高い想定震源域を突き止めたと発表した。イスタンブールの歴史的に重要な中心部からわずか20km弱の地点である。 
およそ1500万人が暮らすイスタンブールのすぐ南にあるマルマラ海(地図)。その海底を走る悪名高い北アナトリア断層の一部(セグメント)は、ここ数年、心配になるくらいに静かであり、歪みが蓄積していることを示している可能性がある、と科学者たちは書いている。 
「われわれが確認した断層のブロックは断層帯に沿って深さ10kmまで達し、4年前に観測を始めて以来、まったく地震活動がみられない」と、ベルリンに近いポツダムにあるドイツ地球科学研究センターの Marco Bohnhoff 教授は語る。「これは、懸念されているマルマラ地震がそこで発生することを示している可能性がある。」 
アナトリア・プレート()とユーラシア・プレートの衝突によって形成された北アナトリア断層は、トルコ北部を1500kmにわたって東西に横切っている。同断層の西端部にあり、エーゲ海にも近い Ganos(地図)では1912年に地震が発生した [訳注: USGSの資料によれば、M7.4、死者2800人]。一方、同断層の東部では、東から西に向かってドミノ倒しのように、1939年、1942年、1951年、1967年、1999年に地震が発生。震源は徐々にイスタンブールに近づいている。 
現在、地震が起きないまま残っているのはアースクエイク・ギャップ(地震の空白域)と呼ばれているマルマラ海の海底だ。この場所の両側では、すでに断層が地震を起こして歪みが解放されている。「ギャップ」そのものでは、1766年以来地震が起きておらず、歪みが解消されていない。 
アナトリア断層は、通常、年に25mmから30mmの速さで西向きに動いているが、この動きは断層上の小さな部分(約30kmの長さ)によって阻まれている。その場所は、9つの小さな島が連なり、イスタンブールからの日帰り観光地として人気があるプリンセス諸島(地図)の地下である。 
「プリンセス諸島にそった空白域の沈黙は、イズミット(地図)からマルマラに及ぶ地域で見られる地震活動の中で際立っている」と『Nature Communications』誌に掲載された研究論文は警告している。 
プリンセス諸島の地下では、歪みがスロースリップなどの非地震的な活動によって解消されていることも考えられるが、このシナリオの可能性は低い、と研究論文は述べている。 
「われわれが得た証拠は、北アナトリア断層のこの部分が断層の動きを阻止しており、それゆえに、次のマルマラ地震の震源核となる可能性があることを示している。マルマラ地震が起こればイスタンブールは深刻な自然災害の影響を被ることになる」と論文は警告している。 
どのくらいの規模の地震がいつ起きるかについては、研究は予測していない。しかし、当該「ギャップ」でマグニチュード7を上まわる地震が2034年までに発生する確率が35%から70%であるという2004年に発表された予測に言及している。 
別の科学者たちは、これよりも規模が下回る“en echelon”タイプと呼ばれる地震が複数回発生する可能性を指摘している。このタイプの地震では揺れはあまり大きくないが、海底の変動が大きいために津波が発生する可能性が高くなる。 
北アナトリア断層で最後に起きた大地震は1999年のものである。デュズジェ(地図)でマグニチュード7.1、イズミットでマグニチュード7.4の地震が発生し、約2万人が死亡した。

イスタンブールも東京も2020年のオリンピック開催地に立候補していますが、どちらも大地震発生のリスクが高まっています。オリンピックと大地震のどちらが先にやって来るのでしょうか。


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