2009年11月29日日曜日

「月が赤いです」という投稿

件(くだん)の『異常現象に気付いたらお知らせください。』という掲示板に、以下のような投稿がありました:
No.107206 大阪淀川から月が赤いです 投稿者:淀川ママ 投稿日:2009/11/28(Sat) 01:17

今現在の角度は45度位ですが、こんな角度の色は見たことがないです。(以下略)
「淀川ママ」という投稿者は、28日午前 1時 17分の投稿で、「今現在の角度は45度位ですが」と書いています。しかし、28日の大阪での月没時刻は 午前 2時 9分ですので、午前 1時前後の月の仰角が 45度もあるとは考えられません。実際の高度は、かなり低かったと言わざるをえません。(月没時刻は、『天文年鑑 2009年版』(誠文堂新光社)による。)

「淀川ママ」という人が、うその報告をしたとは思いません。天体の高度(仰角)は錯覚しやすいも のです。腕をいっぱいに伸ばしたときの握り拳や指の幅を基準にして、地平線からその拳何個分、あるいは指何本分の高さというような報告であれば客観性が増すと思います。拳や指の幅を基準にした仰角の測定法は、以下のページの一番下に図入りで解説されています:
上記の「月が赤いです」といういささか不得要領な投稿を受けて、「多摩人」という人物(以下 T氏)が、自身が運営する掲示板ともブログともつかない『地震の掲示板ブログ』というところで、次のような議論を展開しています:
大阪の淀川から「月が赤い報告」、島根県東部のM3.6、芸予地震の前と同じ様な現象が出ています。瀬戸内海でしょうか?・気になります(汗)。
(中略)
午前1時に近い位置で月がかなり赤い状態ならば、すでに真上付近に上がっている事になり、非常に兵庫県南部地震の前と同じ被害地震の可能性がどこかで有るかもしれませんので、要注意でしょうか。芸予に限らず、他の地域の可能性も考慮に入れておく必要が有るでしょう。
(以下略)

前兆かもしれません?!」(投稿日:2009年11月28日(土)09時11分26秒)より引用
これを書いた T氏は、月の見かけの運動が理解できていないのではないでしょうか。「午前1時に近い位置で月がかなり赤い状態ならば、すでに真上付近に上がっている事になり」と言っていますが、時刻だけで月の位置が決まるものではありません。同じ時刻であっても、月齢などによって月の位置は大きく変わります。

また、T氏は、報告者が「45度位です」と述べているにもかかわらず、「すでに真上付近に上がっている」と書いています。同氏にとっては、仰角 45度は真上なのでしょうか。だとしたら、こちらがびっくり仰天です。