2枚の写真は、いずれもクリックすると拡大します。
ドー ム状の建物からレーザー光線が月に向かって照射されています。実際には月ではなく、月の周囲を回っている LRO(大きさは、ほぼミニバンに匹敵)に向けて、毎秒 28回のパルス状のレーザー光線を送っているものです。LRO からの反射を計測することによって、LRO の位置を 10cm 以内の誤差で求めることができるそうです(マイクロ波を使った場合は 誤差が 約 20m)。
LRO は、将来の有人月探査に備えて、月面の詳細な地図を作ることを目的としています。月面の地形を詳細に計測するには、計測する LRO 自身の位置が精確にわかっている必要があります。そのため、レーザーを使った LRO の位置計測がおこなわれているわけです。
LRO の位置を厳密に把握することによって、月の重力異常もわかります。重力異常がわかれば月の内部構造も推定することができます。日本の月探査衛星「かぐや」でも、月の重力異常の計測がおこなわれました:
- 初期データ(1/2)-「かぐや」で得られた重力異常図(月の裏側 アポロ盆地)-
- 初期データ(2/2)-「かぐや」の重力異常図がもたらす新しい知見 : 月の二分性の起源-
- 月の裏側の重力場 1
- 月の裏側の重力場 2
- 月の裏側の重力場 3
(完)