昨日、『山怪 山人が語る不思議な話』(田中康弘、山と渓谷社、2015)を購入しました。内容は、「山で働き暮らす人々が実際に遭遇した奇妙な体験」(同書の帯より)を集めたものです。6月16日に初版第1刷が発行されて以来、すでに第7刷に達しているそうで、非常に好評のようです。
まだ全てを読み終えたわけではないのですが、大地震の宏観前兆といえる話が載っていましたので紹介します。主人公は、岩手県和賀郡西和賀町にある雪国文化研究所(地図)の研究員・小野寺聡さん。学生のころから山岳部に属し、よく一人で山を巡っているとのこと:
「(略) 山の頂上付近で休んでいたんですよ。そうしたら、なぜか分からないけど、小鳥が私の周りに集まってきたんです。そんなことは普通ありませんからねえ。(略)」
小野寺さんは、小鳥たちがタカなどの猛禽類に怯えて避難してきたのかと考えたものの、周辺に猛禽類は見あたらなかったそうです。
そうするうちに小野寺さん自身が何か妙な気持ちに襲われた。何とも言いようのない、得体の知れない気持ち悪さが抑えきれなくなった。
「何だろうなあ、これは? 凄く妙な感じがするんですねえ」
それから間もなく大きな地震が起きたそうです。著者は、「動物が地震を予知して異常な行動を起こすことは時々見聞きするが、人にもその能力はもともと備わっているのだろうか?」と結んでいます。
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