2015年2月20日金曜日

吾妻山の傾斜変動が加速


吾妻山 浄土平観測点での傾斜変動
(2014年1月1日~2015年2月19日)
吾妻山(地図)で、火口方向が上がる傾斜変動が1月26日以降大きくなっています。また、山体の膨張を示すと考えられる地殻変動も継続しています。右のグラフと以下は、気象庁が2月20日に発表した「平成27年 No.08 週間火山概況 (平成27年2月13日~2月19日)」からの引用です:
浄土平(大穴火口の東南東約1km)の傾斜計では、2014年4月頃から緩やかな西(火口方向)上がりの変動が継続していますが、2015年1月26日以降はその変化率が大きくなっています。また、GNSS連続観測では、2014年9月頃から一切経山南山腹観測点(大穴火口の北約500m)が関係する基線で緩やかな変化がみられており、一切経山付近の膨張を示唆していると考えられます。

以下の表は、気象庁が毎月発行している「吾妻山の火山活動解説資料」などから火山性地震と火山性微動の発生回数を抜き出したものです。火山性地震については、具体的な数値が記載されず、「少ない」、「やや多い」などと書かれた月があります:

年・月 火山性地震 火山性微動
2013年
1月
0 0
2月 少ない 0
3月 少ない 0
4月 少ない 0
5月 少ない 0
6月 0 0
7月 少ない 0
8月 11日から12 日にかけて、大穴火口付近を震源とする火山性地震が連続して発生し、「多い」状況。 17日以降は観測されず、「少ない」状況に戻る。 11日に1回、12日に2回、13日に1回発生(継続時間は、約10分、約5分30秒、約2分40秒、約2分)
9月 少ない 0
10月 11 0
11月 86 (10日から11日にかけて、大穴火口付近を震源とする火山性地震が連続して発生し、2日間で 44回と「多い」状況) 0
12月 29 0
2014年
1月
少ない 0
2月 少ない 0
3月 少ない 0
4月 少ない 0
5月 少ない 0
6月 1 0
7月 38 (20日に大穴火口付近を震源とする火山性地震が22回発生し、一時的に「多い」状況となる) 0
8月 少ない 0
9月 2 0
10月 91 (12日から29日にかけて、大穴火口直下付近が震源と推定される火山性地震が増加し、「やや多い」状況) 0
11月 130 (17日から22日にかけて、大穴火口直下付近が震源と推定される火山性地震が増加し、「やや多い」状況) 0
12月 576 (震源は大穴火口直下付近の浅い所) 12日に1回発生(継続時間は約35分)
2015年
1月
744 (1998年以降で最多、震源は大穴火口付近直下のごく浅い所) 28日に1回発生(継続時間は2分50秒)
2月 77 (16日15:00までの回数、震源は大穴火口付近直下のごく浅い所) 14日に1回発生(継続時間は8分50秒)


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