特異な彗星〝96P/Machholz 1〟(以下、マックホルツ彗星)が、10月27日(日本時間では28日?)に太陽から 0.12天文単位(約1800万km)のところを通過します。2002年に太陽に接近した際には、2つの破片と思われる小さな光点が先行しているのが観測され、続いて本体が太陽の側を通過した直後(数時間後)に太陽面で最大級の爆発が発生しました。まるで彗星が太陽を爆撃したようです(以下の動画参照):
- A Comet Favorite Whips by the Sun This Week as Scientists Watch (動画、写真あり)
- Rogue comet 'escaped' from nearby star whips around the sun in whistle-stop tour of our solar system (写真あり)
この彗星の接近と爆発の間に因果関係はないとされています。
マックホルツ彗星が発見されたのは1986年で、公転周期は5.29年(『天文年鑑2017年版』)。四分義座流星群など3つの流星群や2つの彗星のグループ(Marsdens と Krachts)、小惑星 2003 EH1 と関係があるとされ、1000年ほど前にはそれらとマックホルツ彗星は一つの天体を構成していたと考えられています。
マックホルツ彗星が特異であるのは、その構成成分です。他の彗星とは全く異なっているため、他の恒星系からやって来て、太陽の重力場に捉えられたと考えられています:
10月18日に発見された彗星〝C/2017 U1〟は、その軌道が特異であるため、太陽系外からやって来たと考えられています。やって来たのは「こと座」の方向から。ちなみに、太陽系は秒速 約19 kmでこと座とヘルクレス座の間の領域に向かって移動しています(太陽向点):