冥王星(および太陽系外縁天体)探査機「ニュー・ホライズンズ」に起きた障害の原因が判明しました。探査機に搭載されているハードウェアやソフトウェアの不具合によるものではないとの結論に達したとのこと:
障害の原因については以下のように書かれています:
The underlying cause of the incident was a hard-to-detect timing flaw in the spacecraft command sequence that occurred during an operation to prepare for the close flyby. No similar operations are planned for the remainder of the Pluto encounter.
どうやら、冥王星への接近飛行に備えて地球から探査機に送った一連の指令の中に、わずかなタイミングの不備があったことが原因のようです。今回と同様の操作は、今後の冥王星への接近では計画されていない(つまり再発する可能性はない)とのことです。
科学観測が正常に復帰するのは7月7日(米国時間)で、冥王星への接近飛行は当初の計画どおりにおこなわれるそうです。また、障害発生から回復までに要する期間に失われる科学観測の機会は軽微で、ミッションの主要な目標の達成には影響しない、と結論づけられています。
ハードウェアやソフトウェアのデバッグをする際に、タイミングに起因する障害は再現が困難なことが多く、また、ダンプやトレースを見ただけではなかなか原因にたどり着けないことがほとんどです。いったいどのような情報がセーフ・モードに陥っている探査機のテレメトリー・データから得られたのでしょうか。49億km離れた探査機で起きた障害の原因を短期間で究明するのは、文字どおり「離れ業」だと思います。
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