7月17日午前0時16分(日本時間)、カリブ海東縁のバルバドス島(地図)から北東に約130kmの海底でM6.5の地震(USGS資料)が発生しました。建物にひびが入るなどの被害があったものの死傷者は出ていないもようです。その後も余震が続いています:
カリブ海は北縁にケイマン海溝とプエルトリコ海溝、東縁に小アンチル海溝があります(海底地図)。小アンチル海溝は大西洋にわずか2つしかない沈み込み帯の一つで、大西洋の海底が西に向かって年間2~4cmの速度で沈み込んでいます。ここでは、日本近海の南海トラフと同様に付加体が発達しており、今回の地震もこの付加体内部またはその下で起きています。バルバドス島は、この付加体(バルバドス・リッジ)の一部が海面上に顔を出したものです。
今回の地震は、発震機構解を見るかぎりでは横ずれ断層が動いた結果であって、プレート境界形ではないようです:
カリブ・プレートと小アンチル海溝の起源については、次のようなダイナミックな説が有力視されています ―― 太平洋プレートが太平洋の大半を覆う前、ファラロン・プレートが北米や南米大陸の下に東に向かって沈み込んでいた。白亜紀に、このファラロン・プレート上にあった海台が北米大陸と南米大陸の間にめり込み、突き破った結果、カリブ海が形成され、その前端で小アンチル海溝が形成された。(参考: 木村学『プレート収束帯のテクトニクス学』、東京大学出版会)
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