2010年10月7日木曜日

蜂群崩壊症候群の原因に新説

蜂群崩壊症候群(ミツバチの大量失踪)の原因については、気候変動、農薬、遺伝子組み換え農作物、ウィルス、携帯電話の電磁波などなど、これまでさまざまな説が唱えられてきました。しかし、いまだに決定的な原因は見つかっていません。10月 6日付でオンラインの科学ジャーナルに発表された論文で、メリーランド州に本拠を置く陸軍の科学者とモンタナ大学の昆虫学者が新たな説を提唱しています:

記事やオリジナルの論文によると、IIV(insect iridescent virus)というウィルスと Nosema ceranae という真菌の 2つにミツバチが感染することが原因である可能性があるとのこと。蜂群崩壊症候群のハチにはこのウィルスと真菌がペアで見つかるのに対して、健全な群のハチではこのウィルスと真菌がまったく見つからないのだそうです。

IIV ウィルスは、20年前にインドで初めて発見されたウィルスと類似しており、蛾にも類似のウィルスが見られるとのこと。一方の真菌はハチが胞子を摂取することによって感染するのだそうです。

現時点では、この新しい説も決定打とは言えないようです。ウィルスと真菌のペアがどのようなメカニズムで蜂群を崩壊させるのかが解明されていないので、崩壊した群のハチにだけウィルスと真菌のペアが見つかるという事実も状況証拠にすぎません。研究者自身も言っているのですが、崩壊した群のハチがこれらのウィルスや真菌に感染しやすくなる、つまり、原因ではなく結果であるという可能性も残っているからです。