2010年2月9日火曜日

ドラゴンズ・デン

以下は、ネット検索中に偶然遭遇したものです。“Dragons' Den”というタイトルの TV 番組です:
番組のタイトル 「ドラゴンズ・デン」 は、直訳すると「竜の棲む洞窟」とか「竜のすみか」といったところで、危険な場所、すなわち「虎穴」を意味しています。新たにビジネスをおこそうとする人が、ドラゴンズと呼ばれる何人かのベンチャー投資家や成功した企業家たちの前でプレゼンテーションをおこない、有望と認められれば起業資金が提供されるという番組です。ドラゴンズの面々は非常に辛辣で、起業しようとする人が説明するビジネス・プランの問題点を鋭く指摘します。起業したい人は、「虎穴に入らずんば虎児を得ず」と同様、竜のすみかに入る危険を冒さなければ、資金は得られないということです。

“Dragons' Den” は、日本で何年か前まで放映されていた「マネーの虎」という番組と同じ形式です。日本の番組名は、太平洋戦争でマレー作戦を指揮しシンガポールを陥落させた山下奉文(やましたともゆき)大将の異名「マレーの虎」をもじったもののようです。

「マネーの虎」や “Dragons' Den” と同じ形式(フォーマット)の番組は、世界の多くの国で製作・放送されています。英・米はもちろん、オーストラリア、カナダ、チェコ、フィンランド、アイルランド、イスラエル、ロシア、さらにはサウジアラビア、アフガニスタン、ナイジェリア、などなど。アメリカでは “The Shark Tank”(サメの泳ぐ水槽)という番組名だそうです。やはり危険な場所を意味しています。

意外なのは、これらの番組の形式(フォーマット)は日本テレビのオリジナル、つまり「マネーの虎」が最初だという点です。この番組のフォーマットが世界中に輸出され、さまざまな番組名で製作されたのだそうです。

私は、日本の「マネーの虎」を全くと言っていいほど見ませんでした。他の番組のコマーシャルのときにチャンネルを切り替えていて、偶然目にする程度でした。はっきり言ってこの番組は不愉快で嫌いでした。資金を提供する面々の実にイヤな顔つきと尊大な態度や物言い。それに比べると、このブログ記事の冒頭でリンクを張った “Dragons' Den” の YouTube 映像では、資金提供する側はずいぶん紳士的で見た目も悪くありません。

この YouTube 映像の中で資金提供を求めている人物は、“SLEAZIEST Pitch Ever” というタイトルでもうかがえるように、かなりいかがわしい商品に対して 250万ドルの出資を求めています。商品はビンに入った液体で、これをスプレーすることによって、結膜炎、ぜんそく、白血病、ガンなど万病に効くようなこと言っています。これは、ホメオパシーにもとづく “代替薬” なのだと思います(ホメオパシーは科学的・医学的根拠のない似非科学です)。これにはさすがのドラゴンズ側も引いてしまい、初めのうちは笑ったり冗談を言ったりしていたものの、最後には、“get out, just leave” と言ってこの怪しい「セールスマン」を追い出しています。