2010年2月15日月曜日

朝青龍の引退 (その 2)

次は、モンゴルの首都ウランバートルで発行されている英字紙『UB Post』紙の記事です。タイトルに “Conspiracy”(陰謀、共同謀議)という文字が躍っています:
モンゴルではこのような陰謀説を多くのメディアが掲載しているようです。以下に記事を要約します:
  • 朝青龍が引退を発表した翌日には、(モンゴル国内の)いくつもの新聞が一面で「朝青龍の引退決断の裏には陰謀がある」と報じた。それらの新聞は、相撲協会の幹部が朝青龍に引退するように圧力をかけたのは、気性の激しい横綱が相撲の伝統を破壊することと、横綱大鵬が立てた 32回の優勝という記録を破ることを恐れたためであるという説を引用している。
  • 全国紙の『Zuunii Medee』は、モンゴル国内でのすべての相撲放送を停止するよう呼びかけた。
  • モンゴル柔道連盟の長で、道路・運輸建設・都市開発大臣の Kh.Battulga 氏(かつては柔道の選手だった)は、『Mongolyn Medee』のインタビューで 「日本人力士が日本の伝統的スポーツにおいて樹立した記録を、外国籍の横綱が破ることを日本人は恐れたのだろう」 と語った。
  • 朝青龍の家族と“Asashoryu” Foundation (朝青龍財団?)も引退表明の翌日、ウランバートルで声明を発表した。財団の理事長の E.Sainsanaa 氏は、朝青龍についての誤った印象を広めたとして日本のメディアを非難した。しかし、朝青龍が引退しても財団の活動は今後も継続するとのことである。朝青龍の兄(弟?)の D.Serjbudee 氏は「これまで朝青龍に降りかかったすべての困難は仕組まれたもので、その背後には日本相撲協会内のあるグループがいる。彼らはメディアを通じて繰り返しそれらの困難を作り出したと私は考えている」と語った。
  • モンゴルの外務大臣 D.Zandanshatar 氏は朝青龍の引退に関して声明を発表した。朝青龍の引退にはショックを受けたとした上で、「スポーツや文化などの分野において、モンゴルと日本の間の相互理解と親善を深めることに朝青龍の果たした貢献に非常に感謝している。朝青龍の引退についての二つの国の国民感情とメディアの考えをわれわれは理解している。朝青龍の決断が二国間の親善に悪影響を与えないと確信している」と述べている。
  • 朝青龍の引退の儀式は 10月 3日に日本で行われる。

(続く)