2021年11月12日金曜日

沖縄本島南方沖で M6.6 (続報)

 
 11月11日付「沖縄本島南方沖で M6.6」の続報です。
 
以下は、11月11日00時45分ごろに沖縄本島南方沖で発生した M6.6 の地震(震央地図)による揺れの伝搬を示す防災科学技術研究所の「高感度版 100トレース連続波形画像」です。日本列島を南から北に向かって伝わる地震波の様子がよくわかります。地学の教材としても使えるのではないでしょうか:
 
グラフの右軸に示されている「#」付きの数字は観測点の番号です。#1 は北海道の斜里北観測点、#100 は鹿児島県の宮之城(みやのじょう)観測点です。震央から一番早く揺れ出している宮之城観測点までは約 1000km、一番遅く揺れ出した斜里北観測点までは約 2900km あります。

P波の速さを 8km/秒とすると、宮之城までは約2分、斜里北までは約6分かかります。グラフを見ると、おおよそそのくらいの時間で揺れ始めていることがわかります。

面白いのは、南から北に伝わっていくうちに、震幅の大きい部分(黒っぽい部分)が 2つに分離して、次第にその間隔が広がっている点です。これは P波と S波の速さの違いによるもので、その時間間隔は初期微動継続時間ということになります。斜里北では 5分ほどの間隔がありますので、P波の速さを 8km/秒として大森の公式を当てはめると震源までの距離は 2400km となります(5×60×8)。実際には震源の深さや地質なども加味した大森定数を使うので、もっと実際に近い距離が得られるはずです。
 
 
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