2021年11月15日月曜日

地震計で人間の社会活動を測る

 
産業技術総合研究所(産総研)の研究成果記事です。地震観測ネットワークのデータを東京について調べた結果、人間活動に伴って発生する振動がコロナ禍で低下したことが明らかになったとのことです。同種の研究結果は欧米でも発表されています。

風や海の波などは、一秒ごとに一回(1 Hz)未満のゆっくりとした振動を引き起こすが、人間活動による振動は、一秒ごとの振動回数がより多いという特徴があるので、識別できるようです。
 
「平日の日中の経済活動は1回目の緊急事態宣言の解除後、直ちに回復した。これに対し、日曜日の日中における余暇活動の回復が緩やかなのは、緊急事態宣言が解除された後も、多くの人が自粛を続けたためと考えられる。Go To トラベルキャンペーン期間中における日曜日の PSD の減少は、多くの国民が感染者数などの情報に注目し、自らの判断で余暇活動を自粛したことを示唆している。一方、2回目の緊急事態宣言下であっても新規感染者の減少に伴って PSD は増加に転じた。これは、社会の意識に変化が表れた結果であると推測される」(PSD = 振動の強さを表すパワースペクトル密度(Power Spectral Density)):