小惑星〝2018 PD20〟が、発見前に月と地球に接近していたことがわかりました。地球への接近は〝
ニアミス〟と言えるほど近く、静止衛星の軌道よりも約8600kmも低いところを通過していきました。
|
北極星の方向から見た地球最接近時の小惑星・地球・月の位置関係 小惑星と地球の移動方向は左から右、月は反時計回り 白い線は地球の公転面より上、灰色の線は地球の公転面より下を示す (Credit: Jet Propulsion Laboratory) |
この小惑星は
アポロ群に分類され、直径は 9~20m と推定されています。直径の小さい小惑星ほど発見が遅れ、地球接近(最悪の場合は衝突)の直前、あるいは接近・通過後になる傾向があります。この小惑星が発見されたのは、最接近後の8月11日でした。
小惑星 |
推定直径
(m) |
接近日時
(日本時間) |
接近距離
(LD) |
2018 PD20 | 9~20 |
(月)8月10日 16:17
(地球)8月10日 23:31 |
0.46
0.09 |
(1LD=地球から月までの平均距離)
月と地球への接近時刻には ±2分の誤差が見込まれています。
この小惑星が最接近した時の地球との相対速度は秒速12.0km(時速約4万3000km)と計算されています。
このブログでは、原則として地球から2LD以内に近づく小惑星を記事にしています。2LDよりも離れたところを通過する小惑星まで含めると、毎日数個は地球に接近しています。直径が1kmを上まわる大きな小惑星は、概ね30LDよりも遠いところを通りすぎて行きます。白亜紀末に恐竜を絶滅に追いやったとされる小惑星(あるいは彗星)の直径は少なくとも10kmはあったと推定されています。
関連記事