9月22日付「NASAがエウロパについて記者会見を設定」の続報です。
木星の衛星エウロパの表面から水蒸気が高さ200kmまで噴出している、というのが記者会見で発表された発見の内容です:
記事冒頭の画像は、ハッブル宇宙望遠鏡で撮影した水蒸気の画像に、探査機が撮影したエウロパの画像を合成したものです。エウロパを時計に見立てて7時の方向に水蒸気が噴出していることがわかります。
以下は上記記事の抜粋・テキトー訳です:
- NASAのハッブル宇宙望遠鏡によって、木星の衛星エウロパの表面から水蒸気のプリュームが噴き出しているのが撮影された。
- この観測によって、エウロパの表面を覆う何マイルもの厚さの氷にドリルで穴をうがたずに、エウロパの海洋のサンプルを採取する探査計画の可能性が高まった。
- エウロパの海洋は、太陽系の中で生命を宿す可能性のある最も有望な場所の1つである。
- プリュームは約200kmの高さまで噴き上げられていると考えられ、それに含まれる物質はエウロパの表面に雨のように降り注いでいると推定される。
- エウロパの氷の下に広がる海洋は、地球の海洋の2倍の水を湛えているが、非常に冷たく固い未知の厚さの氷の層に護られている。プリュームはエウロパの表面に着陸したりドリルで穴を開けたりせずに、表面下の物質のサンプルを採集するというすばらしい機会を与えてくれる。
- 観測チームは15ヶ月間で10回、エウロパが木星の前を通過するのを観測し、そのうちの3回でプリュームとみられる現象を捉えた。
- これまでの観測からは、プリュームは非常に変化しやすく、散発的に噴出してしばらく継続した後に活動を止めるようである。
- プリュームが確認されれば、太陽系内では、エウロパは水蒸気を噴出する第2の衛星となる。2005年に、NASAの土星探査機カッシーニは土星の衛星エンケラドスの表面から水蒸気と塵が噴出しているのを発見している。
- 2018年に打ち上げられるNASAのジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡を使った赤外線による観測で、エウロパのプリュームを確認できるだろう。
- NASAはエウロパ探査計画を策定中である。この計画ではプリュームの存在の確認と調査を行う観測機器を搭載した探査機が、エウロパに複数回の接近飛行を行う。
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