9月3日午後9時過ぎ(日本時間)、米国オクラホマ州でM5.6の地震が発生しました(震央地図)。建物の外壁が落下するなどし、わずかですが負傷者も出ています。震源の深さは4.5kmで、横ずれ断層が原因とされています:
- U.S. Geological Survey reveals dramatic increase in central U.S. earthquakes in recent years (動画、地図、グラフあり)
記事のまとめです:
- 土曜日の朝(現地時間)、オクラホマ州で発生したM5.6の地震は複数の州を揺すぶった。テキサス州のダラス(地図、震央から約410km)やアイオワ州の州都デモイン(地図、震央から約640km)でも揺れを感じた。
- 震源はオクラホマ州のポーニー付近。被害も震源地に集中している。100年以上前に立てられた銀行の外壁から岩が剥がれ落ちた。
- ポーニーの住民は、これまでの地震の揺れはすぐに収まったが、今回の揺れは長く激しかったと語っている。「バスルームではキャビネットの扉が全部開いてしまった。キッチンの引き出しもすべて飛び出してしまった。」
- 軽傷者が一人報告されている。暖炉の一部が崩落し、子どもを庇おうとした男性の頭部を直撃した。男性は病院で検査を受けた後、帰宅した。
- 今回の地震の規模はオクラホマ州の地震史上のタイ記録である。
- 米国地質調査所(USGS)は今年3月、地震発生数が激増していることから警告を発していた。
- USGSの報告書によれば、グレートプレインズ(ロッキー山脈の東に広がる大平原)で発生する地震は、1974年から2008年までは1年あたり平均24件であった。しかし、それに続く2009年から2015年では1年あたり平均318件に急上昇した。2015年単独では1010件の地震が発生した。
- USGSは、グレートプレインズにおける被害地震の発生リスクはカリフォルニア州よりも高くなったとしている。
- 多くの科学者は水圧破砕法(フラッキング)が地震数増加の原因であると推測している。フラッキングは、天然ガスや石油を採掘するために高圧の液体を使って地下の岩盤を破砕する。
- 今回の地震への対応として、震央から500マイル(約800km)以内にある35の廃液圧入用の井戸が閉鎖された。
- USGSは2015年3月には小規模地震の急増にフラッキングが関係していると判断している。それに対応して、カンザス州の企業委員会は地殻に圧入する廃液の量を制限した。
- 専門家によると、オクラホマ州と境界を接するカンザス州の複数の郡では地震数が低下している。今年8月、カンザス州の規制当局は廃液の地中への注入をさらに制限する決定を下した。オクラホマ州も同様の規制を追加している。
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