2013年11月2日土曜日

アイソン彗星が地球軌道の内側に入りました


11月1日午前6時ごろ(日本時間)、アイソン彗星から太陽までの距離がついに 1天文単位(地球-太陽間の平均距離)を割り、地球の公転軌道の内側に入ってきました(アイソン彗星の軌道面と地球の公転軌道面は一致していないので、同彗星が地球の軌道を横切ったわけではありません)。この時点での太陽との相対速度は秒速約 42km です。

アイソン彗星はどんどん加速して 11月29日午前4時9分(日本時間)に太陽に最も近づき、太陽の中心から約 190万km のところを通過します。太陽の半径はおおよそ 70万kmですから、太陽表面からの距離は約 120万km です。この時の太陽との相対速度は秒速 370km を上まわります。太陽からの強烈な輻射や太陽風を浴びて、アイソン彗星は分裂し消滅してしまうのではないかと危惧する向きもあります。

現在、アイソン彗星は明け方の南東の空で、しし座からおとめ座に向かって移動中です。11月18日にはおとめ座の 1等星スピカに近づくので、スピカを目印にすれば見つけやすいと思います。まだ肉眼で見えるほどには明るくなっていないので、観望には双眼鏡が必要です。

以下の写真は NASA が公開しているアイソン彗星の写真です。10月25日に撮影されたものですが、この時点の同彗星の明るさは 8.5 等級です。右上から斜めに走る直線は、イタリアの人工衛星の光跡だそうです:

関連記事