2009年2月15日日曜日

衝突した衛星の破片が落下

【2月16日追記】その後、テキサス州、ニューメキシコ州など、アメリカ各地から轟音や火球の目撃報告が伝えられています。FAA(連邦航空局)は、航空機のパイロットに宇宙からの落下物への注意を喚起し、目撃した場合は報告するように求めています。下記は、白昼に撮影された火球のビデオです(冒頭にコマーシャルが入ります)。衝突衛星の破片が落下したものと見られています。白昼にこれだけ明るく見えているので、もし夜間に落下していたら、周辺一帯が昼間のように明るくなったものと思われます:
ある天文学者はこのビデオを見て、写っているのは自然の火球であって、衛星の破片ではないと推定しています。衛星の破片にしては落下速度が大きすぎることが、その理由です。人工衛星の速度は、基本的に第2宇宙速度(約 11.2km/秒)未満です。この速度以上だと、地球の衛星軌道を逸脱してしまいます。

日本でも、いずれ同様の現象が報告されることになるかも知れません。万が一、落下物を発見した場合は、安易に近寄ったり手で触れたりしないことが肝要です。旧ソビエト連邦のコスモス衛星には、有毒な化学物質や放射性物質が搭載されていた可能性があります。過去に、同様の衛星がカナダに落下した際には、放射性物質がまき散らされ、国際問題になりました。


日本時間の 11日(水)にアメリカとロシアの人工衛星が衝突しましたが、その衝突で発生した破片の一部が落下したもようです。インディアナ州のテレビ局が伝えています。まだ、他のメディアは報道していません:
以下は記事概略です:
ケンタッキー州レキシントンの都市部全域で、上空に複数の光跡が目撃され、地震に似た振動が感じられたとの通報が National Weather Service(NWS:日本の気象庁に相当)に寄せられたが、NASA によるとこの現象は、10日(火、アメリカ時間)に衝突した 2機の人工衛星から発生した破片の可能性が高い、とのことである。地震に似た振動は、宇宙から落下する破片によって発生した衝撃波によるものである。
ケンタッキー州は、アメリカ合衆国中央東部の州で、州都はフランクフォートです。上記記事を掲載したテレビ局のあるインディアナ州は、ケンタッキー州の北隣です。

関連記事として、このブログの「シンクロニシティ?」と「衛星衝突」も参照してください。

Image Credit: U.S. Central Intelligence Agency