2025年7月31日木曜日

大雪山で地震増加

 
7月30日、気象庁の常時観測火山・大雪山(地図)で地震が増加し、14回観測されました。大雪山では時々地震が一時的に増加することがあるのですが、1日の地震回数が10回を超えたのは、2022年7月13日に27回を記録して以来です:

カムチャツカ半島 M8.8:震源近くに原潜基地

 
「震源地に極めて近いロシアの主要原子力潜水艦基地の状況について、深刻な疑問が生じている」、「軍事アナリストや国際監視団は、これらの厳重警備の海軍施設への影響の可能性について警鐘を鳴らしている」、「軍事アナリストは現在、限られた衛星画像と、相反する情報を精査し、地震発生時に(基地のある)アバチャ湾にどのような潜水艦がいたかを特定しようとしている。しかし、この地域は曇り空のため、分析は困難を極めている」:
 
 

2025年7月30日水曜日

港にイルカ 4頭が入り込む — 沖縄県竹富町

 
7月27日、沖縄県竹富町の西表島にある大原港(地図)で、4頭のイルカが泳いでいるのが見つかりました。マイルカの仲間とみられています。
 
「通常、外洋で群れで暮らしているため、西表島の港で確認されるのは珍しく、何らかの原因ではぐれた可能性がある」、「港に入ってくるのは珍しい」、「何十年も大原で暮らしていますが、初めて見ました」: 
 

マッコウクジラ 4頭が座礁 — 千葉県館山市

 
7月29日夕方、千葉県館山市の平砂浦海岸(地図)で、4頭のマッコウクジラが座礁しているのが見つかりました。体長 7~8m ほどで生きていました。
 
以下は『朝日新聞』と『毎日新聞』の記事ですが、両紙とも翌30日に発生したカムチャツカ半島沖 M8.8 の地震との関連について言及しています。
 
「この付近で4頭もの座礁は初のケースだろう」「地震の前に海底でいつもと違う音が聞こえるといった状況があったとしたら、どのような影響があるかはわからない」(国立科学博物館)、「クジラが打ち上げられたことと津波との因果関係は『分からない』」(県安房土木事務所)、「迷いやすい海底地形や、海中に音波を出す船舶のソナーの影響などが指摘される」: 
 

小惑星 2025 OL5 が地球と月に接近・通過

 
7月29日から 30日にかけて、小惑星〝2025 OL5〟が地球と月の近くを通過していたことが、NASA/JPL によるデータベース更新で明らかになりました。
 
2025 OL5 (2025年7月29日付予報)
接近日時(日本時間)
(地球)7月29日 20:16
 (月)7月30日 00:13
接近日時 誤差
(地球)± < 1 分
(月)± < 1 分
接近距離 (地球)0.34 LD
(月)1.14 LD
推定直径
7 ~ 15 m
対地球相対速度
16.6 km/s ≅ 6万 km/h
初観測から地球接近まで1 日
次の地球接近2031年2月16日ごろ
公転周期498 日 ≅ 1.36 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

青ヶ島で火山性地震

 
【8月1日追記: 7月29日の2回の地震記録はその後の精査で取り消されたようです。】 
 
7月29日、八丈島の南約 60km にある青ヶ島(地図画像)で火山性地震が 2回観測されました(日別地震回数表)。2023年9月29日に 1回発生して以来、1年10ヶ月ぶりの発生です(グラフ)。 
 
 

2025年7月29日火曜日

富士山で深部低周波地震

 
富士山では 7月27日に 2回、28日に 3回の深部低周波地震が観測されました:
 
気象庁「富士山の火山観測データ」より

 
富士山の深部低周波地震は、気象庁は次のように説明しています —「相が不明瞭で、周期の長い地震波を伴う、深さ10km~20kmあたりで発生する地震。地下深部のマグマと関連していると考えられている。 」 

 

イエローストーンから動物たちが逃げ出している?

 
 
 
イエローストーン火山観測所(YVO)が 7月28日にウェブサイトに掲載した記事です:
 
以下は記事からの抜粋です。Google翻訳の結果を一部手直ししています —— 
 
インターネットでは、動物たちがイエローストーン国立公園から逃げ出しているという主張が飛び交い、クマやヘラジカなどの動物たちは、イエローストーンの火山システムについて人間には分からない何かを知っているのではないかという主張が飛び交っています。

全くのデタラメです(Hogwash)。
 
このデタラメは、2025年7月10日にソーシャルメディアの投稿で「数百頭」のピューマがイエローストーン国立公園から南へ向かっていると示唆されたことから始まったようです。公園全体でピューマはわずか40頭ほどしかいないという事実は無視されています。動画には、ピューマが雪の舗装道路を歩いている様子が映っていましたが、7月のイエローストーンの姿とは明らかに異なります。

数日後、同じアカウントがクマが数台の車の横を歩く動画をシェアしたことで、噂は一気に広まりました。その動画の主張は、再びイエローストーン国立公園を去ろうとしているというものでした。クマたちはひどく太っており、野生のクマとは似ても似つかない行動をしており、風景や植生はイエローストーン国立公園とは全く異なっていました。インターネットの探偵たちは最終的に、動画の撮影場所をサウスダコタ州のドライブスルー野生動物公園であると突き止めました。

しかし、こうした矛盾は問題にはなりませんでした。元の投稿は何百万人もの人々に閲覧され、その主張は拡散し、他の多くのプラットフォームで繰り返し、修正され、ますます空想的で不吉なものになっていきました。ある投稿では、ヌーの群れがアフリカの川を渡る様子が映っていました。この投稿が皮肉を込めていたのかどうかは定かではありません。すぐに大手メディアもこの「話」を取り上げ、イエローストーン国立公園の職員やYVOコンソーシアムの科学者たちは、噂に反論するためにインタビューに応じなければなりませんでした。
 
動物たちがイエローストーンから逃げているという神話は、今に始まったものではありません。このような噂は 1年か2年に1度ほど持ち上がり、2025年のようにとんでもない規模にまで膨れ上がることもあります。

2014年、イエローストーン国立公園の非営利団体の職員が、道路を走る数頭のバイソンを撮影し、インターネットに投稿しました。その職員は、イエローストーン国立公園ではバイソンがいつも走り回っているので、面白い動画で全く異常ではないと考えていました。しかし、この動画は独り歩きし、バイソンが公園から逃げていると主張する人々によって再投稿されました。しかし、実際にはバイソンは公園の奥地に向かって走っていたのです。
 
2014年の動画が撮影されてから2週間以上経った後、ノリス間欠泉盆地付近でマグニチュード4.8の地震が発生しました。これは、この地域で1975年以来最大の地震でした。この地震をきっかけに、動物が逃げ出しているという主張がさらに増加し、一部の人が「バイソンが走る動画は地震後に撮影されたもので、火山噴火が迫っているためだ」と指摘するようになりました。この憶測はあまりにも広まったため、イエローストーン国立公園は「噂の拡散防止」動画を公開し、実際は動物が公園から逃げ出しているわけではないと説明しました。
 
2025年初頭、風刺的なコンテンツで知られるソーシャル・メディア・サイトが、イエローストーンにあるとされる道路に数十頭のクマが座り込み、公園の入り口を塞いでいると訴える加工写真を公開しました。中には、粗雑に描かれた看板を持っているクマもいました。ほとんどの人はジョークを理解しましたが、誤解を招くようなリポストが行われたことで、動物たちは私たちには分からない何かを知っているのではないかと懸念する人もいました。

イエローストーンは、その素晴らしい自然史と環境によって、私たちの想像力を掻き立てます。アメリカ最初の国立公園でなければ、ほかのどこで、巨大な火山噴火によって形作られた景色と、アメリカを象徴する野生動物たちを目にすることができるでしょうか?

だからこそ、この素晴らしい景観に、時に素晴らしい物語が付随するのも不思議ではないのかもしれません。しかし、もし今度動物たちがイエローストーンから大挙して逃げ出しているという話を耳にしたら、少しは懐疑的になるべきでしょう。少なくとも、看板を持ったクマたちがもっと読みやすい文字を覚えるまでは。
 
—— 
 
 

2025年7月28日月曜日

「福井で大地震起きる不安もなくはない」

 
前気象庁長官の発言です。能登半島地震の活動域が広がっていることに関連して「活動域の先端は不安定な状態。南西側に広がれば、福井で大きな地震が起きる不安もなくはない」:

2025年7月27日日曜日

近畿圏中心領域大型地震 (続報-354)

 
八ヶ岳南麓天文台地図)の 串田嘉男 氏が「No.1778 長期継続大型地震前兆」について 7月26日13時00分付けで「続報 No.422」(PDF形式)を出しています —— 推定時期、推定領域、推定規模に変更はありません。
 
 
現況
 
CH20観測装置とCH26観測装置に顕著特異変動とPBF特異変動が継続して出現。
 
 
考察
CH20とCH26の顕著特異変動の極大認識に変更なし → 9月1日±2日に対応地震発生の可能性が示唆される状況に変更なし。
  • CH20: 初現4月26.5日、極大6月8.2日 → 8月30日±3日
  • CH26: 初現3月21.0日、極大5月18.2日 → 9月03日±3日
    (経験則 [初現〜地震発生] : [極大〜地震発生] = 20:13 で算出)
9月1日±2日に対応地震発生となる場合は、CH20観測装置とCH26観測装置の変動が8月5日±3日ごろに終息する可能性が計算される。
 
 
トカラ列島近海の群発地震について
 
「トカラ列島近海群発地震活動は過去には検知されておりませんでしたが今回は過去とは比較にならないほど顕著な活動のためか、八ヶ岳のCH15・CH04を中心に特異変動で良好に検知され、日々、観測情報で状況を配信し続けてきました。変動ピークと活動ピークは7~10日で相関有。」
 
「今回の群発は高知観測点・秋田観測点には検知されず、八ヶ岳のみに検知されました。特異変動の震央からの距離が関係している可能性有。また図4のとおり、7/1から変動検知観測装置がCH15からCH04に移行しましたが、Tmap=7日となる7/8から図6のとおり、群発地震の各地震の震源深さが一気に浅く変化しました。非常に興味深い観測データが得られています。」 
 
 
[注]「特異変動」については『 FM(VHF帯域)電波電離層モニター観測による「地震・火山の予報」解説資料 』(PDF形式)の 9ページを参照してください。


推定日 9月1日±2日
今後の観測で修正の可能性
推定震央領域

更新情報「 続報 No.422 」所載の図3参照
太線領域内=大枠推定領域
斜線領域=可能性が考えやすい推定領域
推定規模 単発ではM8.0±0.3、複合ではM7.3+M7.4 など
余震を含まない大型地震の断層長が合計で約110〜150km 程度となるような複合地震活動の可能性
 
 
このブログ記事のタイトルが「近畿圏・・・」となっているのは、当初の推定震央領域が近畿圏とされていたためです。その後、推定領域は徐々に東にずれ、現在は長野県や群馬県を中心とした地域とされています。推定領域が変化するにしたがってタイトルを変えると、過去の記事の検索が不便になると考え、当初のタイトルのままとしています。
 
 
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2025年7月26日土曜日

山口県萩市の群発地震 その後

 
7月2日付「山口県萩市の群発地震 途絶える」の続報です。
 
今年2月ごろから山口県萩市の山間部で続いていた微小な地震の発生は、1日 100回前後の発生が観測されることもありましたが、最近は発生頻度が低下し、全く発生しない日が増えています。
 
通算の地震発生数は、7月中旬までの半年近くの間に、少なくとも 4000回以上に達したとのことです。また、複数の大学が地震計を設置して合同で研究を進めていくことになったとのことです。「政府の地震調査委員会がことし 5月に指摘した、水などの流体が上昇して地震活動が促進されている可能性なども含めて、地震のメカニズムについて詳しく調べていく」: 

上の記事中の動画では、地震の群れの位置が日毎に大きく移動している様子が見て取れます。 
 
以下は、気象庁の震源リストから「山口県北部」を震央とする地震の 6月末以降の発生数をグラフ化したものです。たまたまと思いますが、満月(7月11日)の前と新月(7月25日)の前に地震数が増えています: 
 

 

トカラ列島近海地震: 震源が時速 1~3km で移動

 
トカラ列島近海の群発地震では、震源域が速いときで時速 1〜3km ほどで移動、震源の深さは 15km よりも浅い場所に集中していて、マグマや熱水などの流体が関与している可能性があるとのことです。
 
「(1989年に噴火した手石海丘の地震活動と)震源域の移動速度が同じくらいだ。当時、マグマが関与したことが分かっているので、今回も火山性の流体が関与しているのではないか」(東京大学地震研究所教授):
 
 以前紹介した海洋研究開発機構(JAMSTEC)の研究者は、地下のマントルやマグマだまりの構造を検知する海底地震計の設置や音波探査の実施などの海底火山観測の強化を訴えています:
 
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小惑星 2025 OM2 が月と地球に接近・通過

 
小惑星〝2025 OM2〟が 7月20日に月と地球の近くを通過していたことが、NASA/JPL による 7月25日付のデータベース更新で明らかになりました。地球や月に対する相対速度が高速です。
 
2025 OM2 (2025年7月25日付予報)
接近日時(日本時間)
(月)7月20日 01:28
 (地球)7月20日 03:41
接近日時 誤差
(月)± 1 分
(地球)± 1 分
接近距離 (月)0.65 LD
(地球)0.23 LD
推定直径
4 ~ 8 m
対地球相対速度
20.1 km/s ≅ 7万2000 km/h
初観測から地球接近まで−1 日
次の地球接近
公転周期646 日 ≅ 1.77 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

2025年7月25日金曜日

海岸近くにクジラ — 富山県朝日町

 
7月21日、富山県朝日町のヒスイ海岸(地図)で、岸近くをクジラが泳いでいるのが目撃・撮影されました。体長 5〜6m。
 
「ヒゲクジラの一種とみられ、海岸近くに現れるのは珍しい」(富山市科学博物館):
 
 
 

双頭蓮が開花 — 長崎県諫早市

 
長崎県諫早市の唐比ハス園(地図)で、1本の茎に2輪の花がつく双頭蓮が開花しています。同園で双頭蓮が咲くのは5年ぶりですが、今年はすでに6本も見つかっているとのこと。
 
「現在は1本が開花していて、2本がつぼみでこの週末にも咲きそうだということです」、「突然変異とされる双頭蓮は、50年から100年に一度しか発見されないとも言われています」:
 
7月25日11時17分、「長崎県南西部」を震源とする M4.7、深さ 10km、最大震度 4 の地震が発生しました(以上は気象庁の速報値; 防災科学技術研究所は M4.6、深さ 5km、北緯32.8°、東経130.1° としています、震央地図)。この地震の震央は双頭蓮が6本も見つかった唐比ハス園に極めて近く、約3.5km しか離れていません。(右図は防災科学技術研究所 AQUAシステム メカニズム解カタログより)
 
 
 

トカラ列島近海地震: 地殻変動続く

 
トカラ列島近海を震源とする群発地震は、7月17日以降は震度4以上が観測されず、終息の兆しが現れているようにも見えますが、地殻変動は依然として観測されているようです。以下は国土地理院が7月24日に発表した資料とそれを伝える『南日本新聞』の記事です。
 
「7月22日までのデータを解析した結果、震源域に近い電子基準点『宝島』で7月4日以降、北東方向に約1cmの地殻変動が観測されています」、「6月21日から7月2日までが東北東方向に1.8センチ、2日のマグニチュード5.6の地震発生前後には南方向に4.2センチだった」、「国土地理院は今回の変動は1回目と向きが似ていると説明」:
 
 
 
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阿蘇山の噴火警戒レベル引き下げ

 
7月4日付「阿蘇山の噴火警戒レベル引き上げ」の続報です。
 
7月25日11時00分、阿蘇山(地図)の噴火警戒レベルが「1(活火山であることに留意)」に引き下げられました。同山では 7月4日に噴火警戒レベルが「2(火口周辺規制)」に引上げられていました。
 
「火山性微動の振幅が7月4日から増大し大きな状態となりましたが、7日以降は小さな状態で経過しています」、「火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、7月以降、(中略)少ない状態で経過しています」: 
 
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2025年7月24日木曜日

箱根山:芦ノ湖南部を震源とする地震活動続く (続報)

 

神奈川県の温泉地学研究所の発表です。これまでのところ、地殻変動の観測データに変化なし、火山ガスの成分に変化なし、とのことです:
 
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箱根山:芦ノ湖南部を震源とする地震活動続く

 
7月23日付「箱根山で火山性地震急増」の続報です。
 
箱根山では、7月20日から芦ノ湖地図)の南部付近を震源とする地震活動が続いています。芦ノ湖は箱根山のカルデラ湖です。
 
「20日から昨日(23日)までの地震回数は69回です。このうち、23日21時49分頃に発生した地震では、箱根町湯本などで最大震度2を観測しました」:
 
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双頭蓮が開花 — 新潟県上越市

 
新潟県上越市の高田城址公園(地図)で、1本の茎に2輪の花がつく双頭蓮が開花しました。
 
「辺り一面にたくさんのハスの花が咲いているので、この中から双頭蓮を探すのはとても難しい」、「かなり珍しいものではある。見つけられたらかなりラッキー」(上越市都市整備課):
 
 
 

2025年7月23日水曜日

超巨大「かなとこ雲」出現 — 香川県、徳島県

 
7月21日午後、香川県と徳島県にまたがるように広がる非常に大きな「かなとこ雲」が出現しました。人工衛星の画像でも確認できるほどの大きさです:
 
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箱根山で火山性地震急増

 
7月21日、箱根山(地図)で地震が急増しました。 同山での1日あたりの地震数は通常 0〜2回ですが、20日は 8回、21日は 26回、22日は 6回の地震が観測されています。1日あたりの地震数としては 2021年1月以降で最大です。
 
(気象庁「箱根山の火山観測データ」より)
 
7月21日04時28分には箱根の芦ノ湖を震源とする M3.1、深さ 5km、最大震度 2 の有感地震(震央地図)が発生しましたが、この前後に「神奈川県西部」を震央とする地震が急増しました。気象庁の震源リストによると、7月20日 13回、21日 85回、22日 13回となっています。
 
 
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2025年7月22日火曜日

ベテルギウスに伴星 見つかる

 
オリオン座の 1等星・ベテルギウスに伴星が見つかりました:
NASAとNSF(米国立科学財団)が資金提供したジェミニ北望遠鏡の「アロペケ」(Alopeke)観測装置を用いて、天文学者たちはベテルギウスの周りを非常に狭い軌道で周回する伴星を発見しました。この発見は、なぜこの有名な星が約6年周期で明るさが周期的に変化するのかという、数千年来の疑問に答えるものです。また、他の赤色超巨星の変光の物理的メカニズムを解明する手がかりも提供します。伴星が青く見えているのは、研究チームの分析によると、高温のため青白色に見えるA型またはB型の星である可能性が高いためです。 
 
 
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第3の恒星間飛翔体が太陽系に進入 (続報-2)

 
 
太陽系の外から飛来した天体「3I/ATLAS」(C/2025 N1(ATLAS))をハッブル宇宙望遠鏡が撮影した画像が公開されています。すでに核の周囲にコマが広がっており、彗星らしい特徴を示しています。画像中に散らばっている無数の小さな白い点は宇宙線の衝突によるノイズとのことです。
 

Hubble Space Telescope images of interstellar comet 3I/ATLAS are out! These were taken 5 hours ago. Plenty of cosmic rays peppering the images, but the comet's coma looks very nice and puffy. Best of luck to the researchers trying to write up papers for this... archive.stsci.edu/proposal_sea... 🔭

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— astrafoxen (@astrafoxen.bsky.social) 2025年7月22日 6:28
 
 
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2025年7月21日月曜日

イエローストーンの熱水にバイソンが転落


米国地質調査所(USGS)のサイトに掲載されている記事です:
6月21日(土)の朝、イエローストーン国立公園のグランド・プリズマティック・スプリング(Grand Prismatic Spring)を訪れた観光客が、バイソンが温泉の浅瀬に滑り込むのを目撃しました。その標高での沸騰温度よりわずかに低い約89℃にも達する熱湯に明らかに驚いたバイソンは、脱出しようとしてよろめき、深い水域に足を踏み入れてしまい、あっという間に死んでしまいました。
 
グランド・プリズマティック・スプリングで起きたバイソンの不幸な事件は、イエローストーンの温泉に関するよくある誤解を再検証する機会となり、公園内の温泉を安全に楽しむ方法を強調するものです。

イエローストーンを訪れる多くの人は、公園内の温泉はすべて酸性(pH 5未満)で、触れると酸性火傷を起こし、動物や人が温泉に落ちれば溶けてしまうと信じています。しかし、イエローストーンの主要な温泉と間欠泉のほとんどは、実際には中性(pH 7前後)またはアルカリ性(pH 7以上)です。
 

 

小惑星 2025 OS が地球と月に接近・通過

 
小惑星〝2025 OS〟が 7月19日に地球と月の近くを通過していたことが、7月20日付の NASA/JPL によるデータベース更新で明らかになりました。地球への接近距離は 0.027LD(地心距離 1万457km、地表からの高度 約4000km)でした。
 
2025 OS (2025年7月20日付予報)
接近日時(日本時間)
(地球)7月19日 12:21
 (月)7月19日 19:01
接近日時 誤差
(地球)± < 1 分
(月)± < 1 分
接近距離 (地球)0.027 LD
(月)0.698 LD
推定直径
3 ~ 6 m
対地球相対速度
12.7 km/s ≅ 4万6000 km/h
初観測から地球接近まで0 日
次の地球接近
公転周期1236 日 ≅ 3.38 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

2025年7月20日日曜日

カムチャツカ半島沖で地震多発、M7.4も

 
日本時間 7月20日15時すぎからカムチャツカ半島沖で地震が連続して発生しています。米国地質調査所(USGS)のウェブサイトによると、これまでに(17時40分現在)19回の地震が記録されており、内訳は、M7級が1回、M6級が4回、M5級が8回などとなっています。 最大は15時49分に発生した M7.4、震源の深さ 20.0km の地震(震央地図)です。どの地震もほぼ同じ場所で発生しています。
 
以下は、M7.4 の地震について USGS の "Tectonic Summary" からの抜粋です —— 
 
2025年7月20日にロシアのペトロパブロフスク・カムチャツキー(Petropavlovsk-Kamchatsky)東方で発生したM7.4の地震は、深さ約20kmの逆断層運動によって発生しました。この地震発生地点では、太平洋プレートが北米プレートに対して西北西方向に年間約77mmの速度で移動しています。北米プレートは北米大陸を越えて西に伸びていることに留意してください。地震の発生場所と断層の動きの特徴は、千島-カムチャッカ弧(Kuril-Kamchatka Arc)の沈み込み帯プレート境界面における断層運動と一致しています。 

Mw=7.4, OFF EAST COAST OF KAMCHATKA (Depth: 23 km), 2025/07/20 06:49:02 UTC - Full details here: http://geoscope.ipgp.fr/scripts/seismes/fiche.php?seis=us7000qdyl

[image or embed]

— Earthquake information from Geoscope Observatory (@geoscope-ipgp.bsky.social) 2025年7月20日 16:28


十勝岳で火山性微動

 
7月19日、十勝岳(地図)で火山性微動が観測されました。気象庁は特に発表を行なっていません:
 
十勝岳で火山性微動が観測されたのは、1月17日に振幅が小さく継続時間が短い微動が観測されて以来です。 
 
 
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噴火始まる — アイスランド (続報)

 
7月17日付「噴火始まる — アイスランド」の続報です。
 
アイスランド気象局の7月19日11時30分(日本時間19日20時30分)付の発表から ——
 
スンドヌクル火口列(Sundhnúkur crater row)の噴火で、アイスランド全土で火山煙霧が継続中。

スンドヌクル火口列の火山噴火は活発で、ここ数日、ガスと火山煙霧がアイスランド全土に広がっている。噴火は一晩中続き、昨日の朝から安定している。火山活動は7月16日に形成された亀裂の中央部にある2~3個の火口に集中しており、火山性地震は低調に推移している。

大気汚染は噴火現場付近にとどまらず、長距離を移動し、居住地域にも長期間滞留する可能性がある。

火山煙霧は、風が穏やかで湿度が高く、日差しが強い状況下で発生し、西アイスランド、北アイスランド、首都圏などの地域に影響を与えている。 
 
 

2025年7月19日土曜日

宇宙の膨張速度

 
「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は、私たちの宇宙に対する理解に重大な誤りがあることを裏付けました。

宇宙は、私たちが見る方向によって膨張速度が異なっています。ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡とハッブル宇宙望遠鏡を用いた科学者たちは、この観測結果が測定誤差によるものではないことを確認しました。」 
 
 
 

屋根の上のイヌの首

 
屋根の上に置かれたイヌの首かと思ったら ・・・ 
 
 

2025年7月18日金曜日

アリューシャン列島で M7.3 横ずれ断層地震

 
7月17日05時38分(日本時間)、アリューシャン列島で M7.3、深さ 20.1km(USGS資料震央地図)の地震が発生しました。日本の気象庁は M7.2、Geoscope は Mw7.2、深さ 44km としています。
 
この地震は、プレートの沈み込み帯で発生したにも関わらず、逆断層ではなく横ずれ断層の運動に起因するものでした。以下は、USGS の "Tectonic Summary" からの抜粋です ——
 
2025年7月16日、アラスカ州サンドポイント(アラスカ半島の南)の南東で発生したマグニチュード7.3の地震は、太平洋プレートと北米プレートの沈み込み帯境界付近の、上部(北米)プレート内または下部(太平洋)スラブ内の横ずれ断層活動の結果として発生しました。暫定的な発震機構解析によると、破壊は、走向が北北西で中程度の傾斜角の右横ずれ断層、または走向が東で急な傾斜角の左横ずれ断層で発生したとみられます。したがって、この地震はプレート境界面自体の逆断層によるものではありませんでした。この地震が発生した場所では、太平洋プレートが北アメリカプレートに対して北西方向に約65mm/年の速度で収束しており、震源の南東100kmにあるアラスカ・アリューシャン海溝から沈み込んでいます。この地域で発生する大地震のほとんどは、今回の横ずれ地震とは異なり、プレート境界面における逆断層地震です。
 

Mw=7.2, ALASKA PENINSULA (Depth: 44 km), 2025/07/16 20:37:39 UTC - Full details here: http://geoscope.ipgp.fr/scripts/seismes/fiche.php?seis=us7000qd1y

[image or embed]

— Earthquake information from Geoscope Observatory (@geoscope-ipgp.bsky.social) 2025年7月17日 6:20
 

三宅島の噴火警戒レベル引き下げ

 
7月18日11時00分、三宅島(地図)の噴火警戒レベルが「1(活火山であることに留意)」に引き下げられました。同島では、6月17日に山頂火口直下を震源とする火山性地震が一時的に増加したため、噴火警戒レベルが「2(火口周辺規制)」に引き上げられましたが、その後は火山性地震が少ない状況が続いています。
 
「火山活動は低下しており、雄山環状線内側に影響を及ぼす噴火の可能性は低くなりました」:
 

2つの小惑星が地球と月に接近・通過

 
2つの小惑星が、7月16日から17日にかけて地球と月の近くを通過していたことが、7月17日付の NASA/JPL のデータベース更新によって明らかになりました。2つともかなり大形です。
 
2025 OF (2025年7月17日付予報)
接近日時(日本時間)
(地球)7月16日 08:02
 (月)7月16日 11:47
接近日時 誤差
(地球)± 2 分
(月)± 1 分
接近距離 (地球)0.95 LD
(月)1.52 LD
推定直径
11 ~ 25 m
対地球相対速度
16.1 km/s ≅ 5万8000 km/h
初観測から地球接近まで−1 日
次の地球接近
公転周期1348 日 ≅ 3.69 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
2025 OC (2025年7月17日付予報)
接近日時(日本時間)
(月)7月17日 11:18
 (地球)7月17日 12:20
接近日時 誤差
(月)± < 1 分
(地球)± < 1 分
接近距離 (月)0.32 LD
(地球)0.77 LD
推定直径
7 ~ 16 m
対地球相対速度
6.9 km/s ≅ 2万5000 km/h
初観測から地球接近まで2 日
次の地球接近2049年12月23日ごろ
公転周期437 日 ≅ 1.20 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

2025年7月17日木曜日

噴火始まる — アイスランド

 
「秋が近づくにつれて噴火の可能性が高まる」というアイスランド気象局の予測よりも早く、7月16日03時56分(日本時間同日12時56分)にレイキャネス半島で新たな噴火が始まりました。
 
噴火は複数の亀裂で発生し、スンドヌークル火口列(Sundhnúkur crater row)にある大きな亀裂は、長さ約2.4kmと推定されています。さらに、ファグラダルスフィヤル(Fagradalsfjall)の西側にも亀裂が開き、長さは約500mと推定されています。溶岩流は東西方向に流れ、東への流れが特に大きくなっています。
 
最新の情報では、溶岩流は続いていますが、勢いは弱まっています。溶岩の大部分は亀裂の東側に堆積しており、この地域の窪地を埋め尽くす可能性があるとのことです。地震活動は大幅に減少し、現在は1時間に数回の小規模な地震が観測されています。 
 

Updated 12:00 local Eruption no longer confined to a single fissure at Sundhnukar. The larger estimated to be ~ 2.4 km long. A smaller fissure has opened W of Fagradalsfjall and estimated ~ 500 m in recon flight by IMO/Coast Guard. www.vedur.is/um-vi/fretti... #geosciences #volcanology #iceland

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— Icevolcanx Ron (@jokulhlaup.bsky.social) 2025年7月16日 21:23