2016年8月15日月曜日

首都直近にマグマ集積 ― エルサルバドル


環太平洋火山帯に位置する中米・エルサルバドル共和国。その首都サンサルバドル(人口約200万人)のすぐ東隣にはイロパンゴ・カルデラ(イロパンゴ湖地図)が迫っています。その大きさは南北 8km、東西 11km。イギリス・ブリストル大学とエルサルバドルの環境・天然資源省が共同で、地下の密度分布やプレートの動きにともなうテクトニックなストレスの状況を調査した結果、同カルデラの地下6kmにマグマが集積しており、首都サンサルバドルに対する火山噴火のリスクが高まっていることがわかりました:

イロパンゴ・カルデラは過去8万年間に少なくとも5回の大噴火を起こしており、最後の大噴火は約1500年前。半径100kmの範囲内のすべてを破壊し、イギリスの面積に相当する地域に厚さ15cmの火山灰を降らせたため、マヤ文明の盛衰にも大きな影響を与えました。

イロパンゴ・カルデラの直近の噴火は1879~1880年ですが、規模は小さかったとのこと。

調査の結果、噴火が起きる可能性が高いのはカルデラの中央部、北部、西部で、このうち西部での噴火が首都に近いため被害がいちばん大きくなると考えられます。


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