今年はクマの活動が活発で、クマの襲撃によってすでに4人の犠牲者が出ています。このクマの活動について、噴火や地震が頻発するカムチャツカ半島の先住民には「クマが噴火を予告する」という言い伝えがあるそうです。ヘルムート・トリブッチ著『動物は地震を予知する』(朝日選書 277、朝日新聞社、1985)から引用します:
この図体の大きい獣が急に活動的になっていつもの猟場から姿を消すと、住民は避難を考えるという。火山に近い森の中にクマの姿が見えない ―― それだけの理由で、ひとつの村全体がそっくり移住することさえ珍しくない。危険地帯からいつでもタイムリーに逃走するらしく、カムチャツカで噴火や地震のために命を落としたクマはかつて一頭もいないという。
富士山の宝永噴火の前に「いく万という獣が富士山のほうから甲斐国をめざして走り過ぎて」行ったという伝承を以前紹介したことがあります。この獣の中にクマが入っていたかはわかりませんが:
- 箱根山の異変と富士山噴火の前兆伝承 (15年5月8日)
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