4月25日に発生したネパール地震(M7.8、欧米では「ゴルカ地震」)では、日本人にも犠牲者が出るなど大きな被害が出ました。以下の図は、USGS(米国地質調査所)のサイトに掲載されているネパール地震の震度分布地図から切りだしたものです:
ShakeMap April 25th 2015 Credit: USGS |
この図では、わが国で使われている気象庁震度階級とは異なる改正メルカリ震度階級が使われていますが、赤みが強いほど大きな揺れ、あるいは強い揺れがあったことを示しています。
不思議なのは、赤みの強い領域がほぼ同じ大きさの複数の円として現れ、それが西北西から東南東に並んでいることです。USGSの資料にははっきりとした理由が書かれていませんが、地図のわきに書かれている以下の文がヒントかも知れません:
Shaking estimates in epicentral region are poorly constrained due to fewer intensity observations (as well as lack of strong motion data).
(震央領域の震度の推定は、震度の観測が少なかったり強震計が不足しているという制約があるため精度が低い。)
断層の破壊は、図中の青い星印で示された震源から東南東に向かって約1分間かけて進行したと推定されています。
オリジナルの震度分布地図など、詳しくは以下の資料を参照してください:
関連記事
- 大地震の前に「涙」を流した木 (10年8月8日)
- 「耳が泣く」現象で危険を察知 (14年11月2日)
- ギリシャ登山隊、シェルパに逃げられ命拾い ― ネパール (15年4月29日)
- エベレスト縮む ― ネパール (15年5月2日)
- ネパールの地震で日本の紙幣印刷ピンチ? (15年5月6日)
- ネパールの地震と電離層の変動 (15年5月10日)