今朝4時34分ごろ、北海道の阿寒湖近くを震源とする最大震度5弱の地震(暫定値: M5.0、ごく浅い)がありました:
以下は北海道東部の震度分布図です:
平成27年6月4日04時34分頃の釧路地方中南部の地震 震度分布図 (気象庁報道発表資料 平成27年6月4日06時40分より) |
震源(速報値: 地図)の近くには活火山の雄阿寒岳と雌阿寒岳があります。前者には有史以降の噴火記録はないのですが、後者には多数の噴火記録があり、最近では2008年に小規模な水蒸気噴火をおこしています。
雌阿寒岳では3月9日に火山性微動が観測されました。火山性微動の観測は13年10月11日以来です。また、3月8日から10日にかけてポンマチネシリ火口付近の浅い所を震源とする小さな地震が一時的に増加、さらに、4月15日から18日にかけても同じ場所で火山性地震が増加し、その後もやや多い状態が続いています。
全磁力観測(説明資料:PDF形式)では、13年7月から14年2月にかけて全磁力の顕著な減少(=地下の温度上昇)がみられ、14年3月以降は横ばい状態が継続(=温度の上がった状態が継続)していましたが、15年3月9日の火山性微動発生と相前後して再び減少傾向(=温度の上昇)に転じています。以下のグラフを参照してください:
雌阿寒岳 全磁力連続観測点「ポンマチ南東」の全磁力値変化 札幌管区気象台 火山監視・情報センター 「雌阿寒岳の火山活動解説資料(平成27年4月)」より |
今回の震度5弱の地震と雌阿寒岳の火山活動の関係はよくわかりませんが、今後の推移に注目したいと思います。
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