6月4日付「冥王星の衛星が予測困難な動き」の続報です。
冥王星の衛星ニックス(Nix)の動きを数値シミュレーションした動画をNASAが公開しています。冥王星系の中心からの視点でニックスの挙動を描いています。こんな衛星で暮らしていたら船酔いを起こしそうですが、それは25日間(ニックスが冥王星の周りを回る周期)の動きを動画上では2秒に縮めているせいでもあります:
- Numerical Simulation of Nix's Rotation (YouTube動画)
"This tumbling behavior meets the formal definition of chaos; the orientation of Nix is fundamentally unpredictable"(この不規則な挙動はカオスの定義に当てはまり、ニックスの姿勢は原理的に予測不能である)とNASAはコメントしています。だったらなぜ数値シミュレーションができるのかと疑問になりますが、それはシミュレーションがあくまでも近似であり、ニックスの動きの厳密な解は求められないということです。
NASAは "occasionally the pole flips over"(ときどき極の反転も起きている) ともコメントしていますが、そもそもこのような動きをする天体に自転軸とか極とかを定義できるのでしょうか。
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